シンクタンクの全球化智庫(CCG)と中国社会科学院社会科学文献出版社は3日に北京で、企業の国際化をテーマにした青書「中国企業グローバル化報告(2018年)」を共同で発表した。それによると、中国は世界最大の海外投資先国となり、企業の海外投資もより理性的になり、国有企業と民間企業が共に前進する海外進出などが、中国企業の海外直接投資における注目点になったという。中国新聞社が伝えた。
同青書は、2017〜18年の世界の海外直接投資の現状を整理し分析したもの。対外投資先国・地域をみると、18年上半期は中国が米国を抜いて世界一なった。同青書の見方では、「これは一連の企業誘致や資本導入の措置、投資円滑化措置の実施によるものだ。中国の開放が進むにつれ、投資環境が一層改善され、今後も中国に流入する海外直接投資は高水準を維持すると予想される」という。また同青書によると、海外直接投資を行う国では、米国が引き続き安定して世界の首位に立った。
データによれば、17年の中国企業の対外投資額は1582億9千万ドル(1ドルは約113.1円)に上り、ここ10数年で初めて減少傾向を示した。中国企業の海外投資はより理性的になった。同青書によれば、「企業の海外進出に対する中国の管理はますます整備され、企業の投資の健全で秩序ある発展を効果的に促進するとともに、対外投資構造を最適化し続け、実体経済やハイテクなどが世界の舞台に進出するのを後押ししている」という。
海外投資の地域分布をみると、17年の中国企業の海外投資は欧州、アジア、北米地域に集中し、投資全体のうち欧州が39%、アジアが23%、北米が23%を占めた。18年は中国・アフリカ協力フォーラムの首脳会議が北京で開催され、中国企業のアフリカ投資協力は今後の成長の可能性が明らかに示された。
同青書は、「国有企業と民間企業が共に前進する海外進出が、中国企業の対外直接投資の新時代における特徴になっている。17年の民間企業と国有企業の海外投資にはそれぞれの特徴があり、民間企業は投資の数や量で注目を集め、国有企業は投資の金額で優位に立った」と指摘。
同青書は19年の見通しとして、「中国企業の海外投資の重心は欧州および『一帯一路』(the Belt and Road)沿線国の市場に傾く。『一帯一路』構想が深く推進されるのにともない、今後5年間は『一帯一路』沿線国市場が引き続き中国の対外投資の重点地域になり、投資分野がこれまでの大型インフラ、エネルギー、資源などのプロジェクトから、観光、EC、人的・文化的分野や教育分野での交流などへとさらに広がりを見せる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年12月4日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn