国連貿易開発会議(UNCTAD)が今月15日に発表した「世界投資報告書」によると、2018年上半期、世界の海外直接投資が4700億ドル(1ドルは約112.30円)と前年同期比41%減少し、05年以降で最低の水準になった。ただ、中国への投資は6%増の700億ドル以上となり、最大の投資対象となっている。これについて、専門家は、「一連のデータや外資系企業の増資をめぐる実際の措置を見れば、いわゆる『外資撤退論』は成り立たないことを示している」と指摘している。人民日報が伝えた。
外資への中国国内市場の開放度が拡大中
今年に入り、中国で投資を実施する外資系企業は倍増している。中国商務部(省)の統計によると、1-8月にかけて、中国で新たに設立された外資系企業は前年同期比102.7%増の4万1331社だった。また、実際に使用された外資は前年同期比6.1%増の865億ドルだった。8月だけを見ると、同2項目の増加幅は126.8%と11.4%で、増加ペースがさらに加速している。
世界的な動向に反して、中国への投資が増加している理由について、UNCTAD投資・企業局の詹暁寧局長は、「中国政府は企業誘致・投資促進に力を入れており、外資に対して更なる国内市場の開放を進めている。それにより、中国の外資受け入れは、引き続き高い水準を保ち、安定して増加している」と分析する。
一方で、地方政府も、ビジネス環境の最適化を一層重視するようになっており、外資系企業がそれに積極的な反応を見せている。
商務部研究院地域経済協力研究センターの張建平センター長は、「世界2位のエコノミーである中国は経済が安定して成長しており、消費市場の規模も拡大の一途をたどり、消費の高度化も顕著となっている。さらに中国は、外資系企業の発展環境改善を非常に重視しており、投資の円滑化措置を継続的に推進し、市場参入条件を緩和している。それら全てが、外資系企業が中国の投資環境やその機会に積極的な目を向けるための支えとなっている。また、外資の中国への投資を後押ししている」と分析する。
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