上海の語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部は今月3日、2018年「流行語トップ10」を発表した。今年は「命運共同体(運命共同体)」、「錦鯉(強運の持ち主)」、「店小二(給仕)」、「教科書式(マニュアル通り)」、「官宣(公式発表)」、「確認過眼神(一目見て分かった)」、「退群(グループ退会)」、「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」、「巨嬰(巨大児)」、「杠精(へそ曲がり)」が選ばれた。人民日報が報じた。
1. 命運共同体(運命共同体)
運命共同体とは、同じ条件の下で結成された運命を共にする集団を指し、「人類運命共同体」がその由来。12年に開かれた中国共産党第十八次全国代表大会以降、習近平総書記は、国内や国際的な公の場で、「人類運命共同体」構築についてたびたび言及してきた。17年の中国共産党第十九次全国代表大会の報告でも、習総書記は再び、「平和な発展の道を堅持し、人類運命共同体の構築を推進する」と言及した。18年3月11日の第13期全国人民代表大会第一次会議で採択された「憲法修正案」では、その「前文」の「各国との外交関係や経済、文化交流を発展させる」という箇所が「各国との外交関係や経済、文化交流を発展させ、人類運命共同体の構築を推進する」に修正された。「人類運命共同体」の構築はすでに各国から注目されており、世界が賛同し、グローバルガバナンス体系変革や新型グローバル関係構築を推進するための世界のコンセンサスとなっている。
2. 錦鯉(強運の持ち主)
「泳ぐ芸術品」とも言われている錦鯉(ニシキゴイ) は高級観賞魚として高い人気を誇る。18年の国慶節(建国記念日、10月1日)の連休期間中、支付宝(アリペイ)が公式微博(ウェイボー)アカウントで、書き込みを転載して抽選に当たれば「中国錦鯉になれる」というキャンペーンを実施し、この書き込みは300万回以上転載された。10月7日にはその抽選結果が発表され、当選して「中国錦鯉」となった人々には、世界中から集められた豪華商品がプレゼントされた。ここから「錦鯉」が「幸運」の象徴となり、その後、この話題が盛り上がりを見せる中で、「錦鯉」は次第に強運の持ち主も指すようになっていった。「錦鯉」がネット上で話題をさらい、そこに新たな意味が加わるようになったことは、中国の人々の素晴らしい生活へのあこがれを反映している。
3. 店小二(給仕)
「店小二」のもともとの意味は、その昔、茶館や飲み屋、旅館などで接客サービスをする店員や給仕を指していた。「店小二」による親切で行き届いたサービスは、客のその店に対する印象を大きく左右することになる。浙江省政府関係者がかつて、「政府当局や幹部たちは企業や人々により良いサービスを提供する『店小二』のような存在でなければならない」と提唱したことから、「店小二」には次第に新たな意味が加わるようになり、経済発展を推進し、企業に行き届いたサービスを提供する政府当局や幹部を指すようになった。
4. 教科書式(マニュアル通り)
2018年5月、ネットに上海の警察官が街中で違法行為の取り締まりを実施する動画が投稿された。動画の中でこの警察官は違法行為の発見から取り締まりの手順、現場での指示に至るまで、まさにマニュアル通りの対応を見せ、ネットユーザーから、「マニュアル通りの取り締まり」と称された。この動画が話題となり転載されたことで、「マニュアル通り」という言葉も流行し始め、その対処の仕方などが規範にかなった素晴らしいものである場合に、「マニュアル通りの演技」や「マニュアル通りのリスク回避」、「マニュアル通りのデザイン」などと使われるようになった。同時に「マニュアル通りのごね方」といったようなマイナスイメージでの使用も見られるようになっている。
5. 官宣(公式発表)
2018年10月16日、人気女優の趙麗穎(チャオ・リーイン)と人気俳優の馮紹峰(ウィリアム・フォン)が、微博(ウェイボー)に「公式発表」と題して、入籍を同時に発表した。多くのファンを抱えるスター2人の結婚のニュースは注目の的となり、ネットで話題をさらった。その後、各メディアに個人や機関などが何かを発表する際に「公式発表」という言葉を使って報道されることが続き、たちまち流行語となった。「官宣(公式発表)」の「官」は「公式」を指し、公式サイトを指す「官網」や公式微博アカウントを指す「官微」のように「官方宣布」を省略してできた言葉で、その権威や信ぴょう性を強調する意味が込められている。
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