しかしセルフレジ技術を発展させればすべてが丸く収まるわけではない。分析によれば、セルフレジ一つとっても、消費者に向けて生み出される価値は実際には非常に限定的であり、コストも人件費より安いとは限らない。規模の非常に大きな、来店者も非常に多い店舗に技術を応用してこそ、レジ時間を大幅に短縮し、技術本来の価値を発揮させることが可能になるという。
こうした技術を街角にあるこじんまりしたコンビニに応用しても、コスト低下にならないどころか、新技術の大量導入によってコストはかえって上昇する。おまけに、無人コンビニは店員が不要なわけではなく、商品棚を整えたり商品を補充したりするのにやはり人手は必要であり、レジに人がいないだけだ。消費者にとってみれば、レジがセルフ方式になる以外、消費体験は全体としてそれほど大きく変わらない。
セルフレジのモデルは小売業界のコストを下げずに上昇させ、消費者の体験も大幅に改善するわけではないというなら、「この未来の小売業界のトレンドの1つと言われる技術は、結局どこに応用すればいいのか」とたずねたくなるのも無理はない。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年5月8日