中国のレアアースはなぜ世界の戦略資源になったのか? (3)

人民網日本語版 2019年05月31日10:16

レアアースの過度の採掘、低価格の輸出がもたらすものは戦略資源の流出、環境破壊、WTOで「苦しい状況を言い出せない」といった問題だけでなく、「資源の呪い」もある。

中国は自然資源の輸出を中心とするエコノミーではないが、資源の豊富さに対して工業化や経済成長が遅いという「資源の呪い」現象が中国のレアアースをはじめとする希少金属産業に広く存在する。長年にわたり、国の利益、地方政府の利益、個人の欲望がレアアースなど希少金属資源の問題では折り合うことができず、そのせいで中国のレアアースは中東の石油のように大きな利益をもたらさなかっただけでなく、米日など一部の国に虎視眈々と狙われて買いたたかれた。

レアアースの戦略的地位は現在、軍事分野でも工業、農業の分野でも代替が難しい。これはつまり、少なくとも未来の新技術革命後の相当長い期間、レアアースの先端の生産活動における重要な地位は揺るがないということであり、レアアース技術応用分野も各国が先端の生産活動を行うための「要衝」になるということだ。

現在、米国が認定した戦略元素35種類と日本が選定したハイテク元素26種類には、レアアース元素がすべて含まれる。日、英、ドイツ、フランスなどの工業先進国にはレアアース資源がないが、世界トップレベルのレアアース応用技術がある。こうした国々はレアアースを自国の経済・技術発展にとって極めて重要な役割をもつ戦略元素とみなしている。

レアアース金属資源における中国の唯一無二の独占的地位をどうやって十分に利用するか。まもなく訪れる新技術革命という貴重なチャンスをどうやってつかまえるか。豊富で安価なレアアース資源を他国ではなく中国の新エネルギー・新材料の研究応用といった高い品質の生産プロセスにどうやって投入するか。これが今後のレアアースをはじめとする希少金属資源の利用で最も努力すべき方向性であり、また唯一の方向性でもある。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年5月31日

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