遠洋宇宙観測船「遠望3号」が23日、南太平洋の任務海域において、衛星打ち上げ海上測量・制御訓練を行った。任務計画によると、遠望3号は間もなく打ち上げられるロケットの周回、衛星の軌道投入などに海上測量・制御サポートを提供する。新華網が伝えた。
この浮動する「海上科学城」は、衛星打ち上げの際にどのようにして測量・制御を行うのだろうか。
◆衛星打ち上げ、海上からの測量・制御
遠望3号の倪留国船長は「遠望3号は中国の船舶・機械・測量・制御・通信・電子・気象などの先端技術を結集した、名実相伴う海上科学城だ」と話した。
取材によると、船には多くの精密機器が搭載されており、3600平方メートル未満の甲板には30以上のアンテナが設置されている。船に取り付けられているSバンド統一測量・制御システム、パルスレーダーなどの大型制御・測量設備は、ロケット・衛星・宇宙船などの海上追跡・測量・制御任務を遂行できる。さらに遠く離れた国内の任務センターと、リアルタイムの通信及びデータ交換が可能だ。
遠望3号通信システム責任者の周啓栄氏は「遠望3号通信システムの主な機能は、衛星通信リンクの構築、陸・船通信ネットワークの構築、時間統一システム、調整、緊急通信の提供といったサポートだ。任務遂行中には双方向の迅速かつ正確で切れ目ない情報通信を保証する」と説明した。
◆なぜ南太平洋で測量・制御を行うのか
地球の曲率の影響があり、地上測量・制御ステーションでは宇宙船の飛行プロセス全体の追跡・測量・制御の需要を満たせないため、海に宇宙測量船を派遣し、宇宙船の測量・制御を行う必要がある。
遠望3号測量・制御システム責任者の劉暁祥氏によると、測量には外部測量とテレメータリングが含まれる。外部測量により宇宙船の空間的な位置を特定し、テレメータリングで宇宙船内のコントロールを知ることができる。リモートセンシングは宇宙船に各種指示を出しデータを入力することで、宇宙船の飛行と帰還をコントロールする。
劉氏は「遠洋宇宙観測船はロケットや衛星などの追跡・測量・制御を行う専用の船舶で、宇宙測量・制御ネットワークの海上軌道測量ステーションだ。ロケットや衛星などの飛行軌道及び測量・制御の需要に基づき、適切な海域に派遣する。今回の衛星打ち上げの海上測量・制御エリアとしては、南太平洋の任務海域が最適だった」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年6月24日