中国科学院青蔵高原研究所が明らかにしたところによると、2019年度第2回青蔵高原(チベット高原)総合科学調査の「有史以前の人類活動の歴史と影響」をテーマとするフィールドワークがこのほど無事に終了した。今回の科学調査で新たに26カ所の有史以前の人類活動遺跡が見つかった。うち文化層を持つ13カ所の有史以前考古遺跡には重要な研究意義がある。北京晩報が伝えた。
科学調査隊員は主に雅魯蔵布江の中・上流の本流及び年楚河、多雄蔵布、来烏蔵布などの支流で調査を展開した。西蔵(チベット)自治区日喀則市の南木林、江孜、亜東、吉隆、薩嘎、仲巴など16県(区)の約8000平方キロメートル内の58カ所の有史以前の人類活動遺跡を調査した。新たに26カ所の遺跡が見つかり、うち13カ所には古代人の活動が残した文化層堆積があった。
中国科学院青蔵高原研究所研究員で第2回青蔵高原科学観測「人類活動の歴史と影響」科学観測チーム長の楊暁燕氏は「今回の科学調査の重大な収穫の一つは、同地域で初めて文化層を持つ有史以前の考古遺跡が十数カ所見つかったことだ。今後の実験室での年代特定により、雅魯蔵布江の中・上流エリアにおける有史以前の人類活動の歴史の時空的変化、社会・経済状況、さらには周辺の文化・技術交流の状況を明らかにすることができる。西蔵地域の人類社会の発展の歴史に対して重要な意義を持つ」と述べた。
科学調査隊は現在、フィールドワーク及び試料採取の初期段階の整理作業を終えている。今後は13カ所の遺跡の文化地層の炭屑、陶器の欠片、フィトリス土壌試料などの分析とテストを行う。26カ所の石器エリアで見つかった黒曜石、碧玉岩、水晶など1442点の石器については資料を整理し、石器がもたらす古代人の活動に関する情報を解析する。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年7月24日