東京五輪は2020年7月24日の開幕まであと1年となり、メーン会場の新国立競技場も完成間近となった。チケットの売れ行きは好調だが、ホテルや交通などの問題は早急な改善策が必要だ。中国新聞網が香港紙「文滙報」の報道として伝えた。
▽国内スポンサーからの収入が過去最高
東京五輪の経済効果は相当なものだ。現時点で、国内スポンサーからの収入は30億ドル(1ドルは約108.1円)を突破し、歴代の五輪に比べて少なくとも3倍以上になる。
チケットはすでに322万枚が発売され、日本国内や海外から20万人以上のボランティアも参加し、開催期間中の東京には大勢の人が押し寄せて、観光産業が大いに活性化する見込みだ。ビジネス関係者で、「五輪は安倍晋三首相のアベノミクスの『3本の矢』に続く『4本目の矢』になる可能性がある」という人もいる。
経費節減が最近の五輪開催国の課題の1つであり、日本は今回8つの新会場を建設し、これには旧国立競技場の全面建替工事によって建設される新国立競技場も含まれるが、その他の35会場は既存の会場や一時的な会場を利用し、10億ドル単位の支出を抑えることができるという。
▽五輪工事で建築材料が不足 被災地の再建が遅れる
日本政府は一貫して東京五輪を「復興五輪」と位置づけてきたが、会場建設や関連工事により建築材料が大いに不足し、東日本大震災の被災地は再建が遅れている。
岩手県釜石市の市民体育館の再建プロジェクトを例にすると、計画では今年9月のラグビーワールドカップでスタッフの休憩所になるはずだったが、鉄筋が不足して、7月末までに工事を終えることができなくなった。同市は代わりの材料を使用せざるを得なくなり、3億8千万円の追加費用が生じたという。
福島第一原子力発電所がある大熊町は、今年4月に一部地域の避難指示が解除され、住民が次々に戻ってきたが、建築材料と作業員のコストが急上昇したため、来年2月に完成予定だった商業施設と住宅は、完成時期が少なくとも1年は延びることになった。