東京の地下鉄は利用者が非常に多いにもかかわらず、衛生的で、効率が良いことで知られている。しかし、対策を取らなければ、2020年の東京五輪開催時の利用者が殺到する時間帯にはその地下鉄の運行が麻痺してしまう可能性があるという。中国新聞網が海外メディアの報道を引用して報じた。
報道によると、中央大学理工学部の田口東教授が数理モデルを使って、東京五輪開催中の最も試合が多い日の観客を65万人と想定し、時間ごとに首都圏の駅や列車ごとの乗降客数をシミュレーションした。首都圏の通勤・通学の鉄道利用者は1日約800万人で、そこに65万人が加わることになり、田口教授は、五輪会場の最寄りの駅では、構内が乗客であふれかえり、主な乗換駅では乗客があふれて乗り換えができなくなり、鉄道の運行が止まる可能性が高いと指摘する。
田口教授によると、通勤ラッシュと競技観戦客の輸送ピークが重なる時間帯には、乗り換え客が多い東京駅などの構内は普段の1.8-3倍の乗客であふれると予測している。そして、一旦構内が乗客であふれかえると、鉄道の運行自体が止まってしまう可能性がある。
効果的な解決策について、田口教授は、通勤客が五輪の競技が多い時間帯は家にとどまることができるように、各会社は休みにしたり、在宅ワークができるようにしたり、ラッシュ時間帯を避けて通勤できるようにしたりすることを提案している。
12年のロンドン五輪の際、ロンドン政府も市民に同様の対策を講じるよう奨励し、多くの市民が家にとどまったり、通勤時間を変えたりして、大混雑の発生回避に努めた。
東京五輪の主催機関は、競技開催中の交通機関のスムーズな運行を確保するための対策をすでに練っているものの、最終的な計画策定には至っていない。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年5月9日
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