日本で新しい出入国管理法が施行されたことで、これまで、「留学生」や「技能実習生」、「高度外国人人材」といった在日居留資格を得ることができなかった多くの外国人単純労働者も、日本の会社に勤め、日本で働くことが可能となった。このような状況から、日本で生活する外国人の増加傾向が一つのピークを迎えることになりそうだ。日本の華字紙「中文導報」が伝えた。
総務省がこのほど発表した「高度外国人材の受入れに関する政策評価 政策評価書」によると、すでに認定されている高度外国人1万5千人のうち、約65%が中国人としている。在日中国人は、SNSアプリを通じて相互に連絡を取り合い、膨大な中国人限定の交流ネットワークを構築しており、その影響力は日ごとに増大している。数年前から、日本の各地には、従来の中華街以外に、新たな「中華街」の原形ともいえる街が次々と姿を現すようになっている。
日本には、伝統ある「三大中華街」として横浜中華街と長崎中華街、神戸南京町がある。中国の改革開放以前は、日本に来て仕事や生活をするオールド華僑は、これらの中華街に住み、100年の年月を経て形成された華僑・華人の主な居住地となっていた。改革開放後に日本にやってきた新たな華僑・華人は、その多くが東京の池袋や新宿などの新興市街地に住むようになった。
中日両国の国交正常化以降、ますます多くの新しい華僑が東京都豊島区に居住するようになり、池袋周辺には、これらの新華僑が経営する中華料理店や中国食品雑貨店、中国語書店、中国語新聞社、ネットカフェ、旅行会社などが誕生し、この界隈は「東京中華街」と呼ばれるようになった。伝統ある「三大中華街」と異なり、池袋の中華街は、完全に、新華僑が作り上げた街で、かつ、絶え間ない発展すう勢を呈している。ここでは、全く新しい中国を体験することができ、中国の庶民の飲食文化を味わうことができる。
埼玉県川口市も、新華僑の代表的な居住エリアの一つとなっている。同市の人口60万人のうち、約2万人は華僑・華人が占めている。とくに、JR西川口駅付近に、中国人による本場の中華料理店が立ち並ぶさまは、極めて壮観だ。西川口の一帯は、地価が安いことから中国人が多く転入し、いまでは、華僑華人にとって「とても住みやすい街」へと華麗な変身を遂げ、「ミニ中華街」と呼ばれている。JR西川口駅の隣駅である蕨駅も、中国人世帯がすでに半数以上を占めている。
このほか、早稲田大学で学ぶ中国人留学生が膨大な数に上ることから、学校周辺には、中華料理店が大量に次々出現している。初めて日本を訪れた中国人留学生は、寿司や刺身などの和食にすぐに馴染むことが出来なかったため、これらの中華料理店が彼らの好みを満足させたうえ、ホームシックに陥った留学生の心を慰める役割も果たしている。さらには、中国人留学生向けの各種語学学校や受験予備校なども次々とここに教室を開いた。これらの要素はいずれも、この一帯に中華街が形成されるための土壌となった。
大阪の新今宮駅南側は、かつて、日本最大の日雇い労働者が集まる場所だった。最も多い時で、この一帯には400店以上の店舗が集まっていた。だが、人口の高齢化が深刻になるにつれ、多くの商店は経営を続けることができなくなった。ところが、一部の中国人がけん引して、この一帯の商店街に店をオープンする中国人が増え始めた。華僑・華人が経営する店舗が激増したことにより、「大阪中華街」の構想が、現地の華僑団体の検討対象となっている。
上述したいくつかの中国人の居住地は、特に正式に「中華街」という名前を打ち出したわけではない。だが、実のことろ、多くの小さな「中華街」は日本社会の喧騒と変化の中、ひっそりと誕生しているのが現状だ。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年7月30日