朝が早い夏の日。早朝の日差しが大きなガラス越しに天壇病院のホール、廊下、各エリアに降り注ぐ。人々が広い病院内を慌ただしく行き来し、頭上の照明がついているかを気にする人は稀だ。しかしここには大きな省エネの数字が隠されている。科技日報が伝えた。
3エリア・14棟の各種応用シーンと時間帯によって照明をつけるか消すかは並大抵のことではない。北京時代凌宇科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)物聯網(IoT)研究院の樊勇副院長は取材に対し、「当社は各時間帯とエリアに応じ、後方管理プラットフォームシステムを設計した。これは全体的な制御を司るブレーンのようなもので、病院内の照明の自動調節・管理を担当する」と話した。
病院は朝になると「クリーニングモード」に入り、各エリアの照明がつけられる。屋内が十分に明るくなると自動的に消灯される。午後の退社間近の時間になると、照明が徐々に暗くなり、人のいないエリアでは消される。一方では、病室、各診療室、救急室、一部の公共エリアで照明がつけられる。さらに夜の静かな時間帯になると、一部の公共エリアは人が少なく照明が消されるが、病室の方では患者のため一部の照明、もしくは常夜灯をつける。樊氏は「この小さな照明を馬鹿にしてはならない。後方管理プラットフォームシステムがあれば、病院の年間の人員管理費と電気代を約120万元(1元は約15円)削減できる」というデータを挙げた。
天壇病院のスマートシステムは、IoT技術の建築への応用の縮図に過ぎない。従来のビル自動化と異なり、同社はIoTを建築に介入させ、ワイヤレス自動ネットワーク構築技術を通じ、照明・換気・空調などの分断されたサブシステムを連結させている。翻訳機に似た「IoT応用サポートプラットフォーム」が集めたシステム全体のデータを使い、建築内の「情報フロー」を形成している。
IoTシステムによるビル管理効率の向上と安全に対する保障により、精密にコントロール可能なエアコンの使用効率を大きく向上させており、省エネのほか、日常的なメンテナンスの人件費を削減できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年8月8日