中国伝統の要素が盛り込まれた「国潮」がトレンドに (2)

人民網日本語版 2019年08月21日08:58

漢字がプリントされたTシャツが今では「オシャレ」アイテムに

中央財経大学3年生の邱風さん(女性)は、「国潮」の波が起こり、大きなブームへと発展していく過程を経験してきた。高校生の時から中国伝統文化が大好きだった邱さんは、当時「国潮」は流行していなかったものの、どこかのブランドが中国伝統文化の要素を盛り込んだ商品を打ち出すたびに、応援の意味を込めて購入していた。そうしているうちに、服から鞋、文房具、スキンケア品など、生活のあらゆる分野が少しずつ「国潮」に染まっていった。

邱さんは敏感肌にもかかわらず、「国潮」を応援するために、中国国産ブランドのスキンケア商品セットを購入したこともある。そのガラスの瓶や木製の栓、薄く施された模様などがとても気に入り、アレルギーも出ずに喜んだだけでなく、さわやかな香りとともに一夏を過ごすこともできた。そして、「国潮」の今後の発展にいっそう期待するようになった。邱さんは少し冗談ぽい口調で、「伝統文化がさらに大きく羽ばたいていく日を待ちわびている」と明るく語った。

中国服装デザイナー協会の張慶輝主席は、「『国潮』の出現は、総合的な国力や経済社会の発展が一定の段階に達した時の必然的な産物だ。具体的には、現在の消費者が文化的な自覚を持ち、自国文化の要素を高く評価するようになっており、また消費観念が多元化、個性化していることも示している」と分析する。

また、北京服装学院ファッションコミュニケーション学院の教員を務める董妍氏は、「私たちが子供の頃とはかなり違う。私たちが子供の頃、ジーンズや柄付きのシャツ、アフロヘアなど、中国のファッションのトレンドはほとんど海外発のものばかりだった。しかし今では、中国の消費者が自国の文化を高く評価し、伝統的なものにも素晴らしいところがあることに気付くようになっている。Tシャツにアルファベットがプリントされていればオシャレという時代は終わり、今は漢字がプリントされたTシャツが受け入れられるようになっている」と語る。

「国潮」は急速に発展しているものの、市場全体を見ると、良いものも悪いもの入り混じっている。例えば、「国潮」を過度に強調してマーケティングを展開している企業も多い。「衣料品だけでなく、日用品、グルメ、家電など、ほとんどすべての分野のブランドが『国潮』を売り文句にしている。どんなブランドでも、『国潮』と銘打てばそれで『国潮』ということになる」。また、「国潮」と銘打ちながら、実際には中国の要素を単に盛り込んでいるだけで、作りが粗末でクオリティが低い商品を売っている企業も多く、そんな企業は信念あるブランド文化とはほど遠い。

そのような問題の解決策について、張慶輝主席は、「今後『国潮』が発展できるかは市場によって決まる。これらの問題は、市場における自然淘汰によって解決されるだろう」との見方を示す。また、董氏は、「政府が業界全体の品質基準を制定することも急務だ」と指摘した。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年8月21日  

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