中国では、海外留学先にとどまらず、帰国して就職したり起業したりすることを選ぶ留学経験者(留学帰国者)が増加している。求人サイト大手「智聯招聘(Zhaopin.com)」と中国グローバル化シンクタンク(CCG)がこのほど発表した「2019中国留学帰国者就職起業調査報告」によると、留学帰国者に最も人気の就職先都市は北京、上海、深センで、これらの都市は留学帰国者が最も多く住む都市でもあった。中でも一番人気は北京で、その他、新一線都市も大きなポテンシャルを秘めている。北京日報が報じた。
「留学帰国者の発展促進政策的需要」調査の統計によると、「人材の報酬・福利厚生の向上」に代わって、「留学帰国者人材の就職サービスメカニズムの整備」が留学帰国者が最も求める政策となった。中国国内の就職市場の競争が激化するにつれて、多くの留学帰国者の注目ポイントは、「仕事をしてより多くの報酬を得る」から、「中国国内就職市場で自分に合った仕事を見つける」に変わっている。
調査対象となった留学帰国者の間では、「国内で就職」というキャリアプランが主流となり、61%に達している。一方、中国国内で起業を選ぶ留学帰国者は5%にとどまっている。業界分野別に見ると、留学帰国者が就職する主な分野は「IT/通信/電子/インターネット」だ。起業を選ぶ留学帰国者のほとんどは「貿易/卸売り/小売り/レンタル業」に集中しており、サービス業が2番目に多い業界となっている。
「経済発展が速い」、「グローバル化が進んでいる」、「文化が多元化され受容力が高い」などが、調査に答えた留学帰国者が都市で就職することを選ぶ主な理由だ。一方で、「ふるさとに戻って就職」を選んだ人は、2018年の9%から30%に増加しており、ふるさとに戻ってキャリアを積みたいと望む留学帰国者が増えている。また居住地で見ると、北京に住む留学帰国者の割合が20%と最多で、上海11%、成都7%と続いた。
求人の状況を見ると、留学帰国者に対する需要が最も高いのは北京で、求人数全体に占める割合は18%、以下、上海11%、深セン9%、成都5%と続いた。しかし、留学帰国者の中国国内就職市場を見ると、一部の職種では供給と需要のバランスが悪い。例えば、「教育/育成」系の求人は31%を占めているものの、こうした職業に就いている留学帰国者は7%にとどまっている。また、「財務/監査/税務」に携わっている留学帰国者は全体の6%を占めているものの、こうした職種の求人数はわずか1%だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年12月20日