鐘南山氏、欧州呼吸器学会とのWeb会議で中国の経験を共有

人民網日本語版 2020年03月13日14:17

世界的な感染拡大に伴い、欧州諸国は中国の経験を参考にすることを検討し始めている。「鐘南山院士、会議全体を通して英語で中国の経験を共有」という話題が、微博(Weibo)での人気ランキングに上がっている。

中国国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チーム長を務める中国工程院院士の鐘南山氏は欧州呼吸器学会次期会長のアニータ・シモンズ氏とWeb会議を開き、欧州呼吸器学会に中国の新型コロナウイルスによる肺炎への感染対策の成果と経験を紹介した。

◆最も効果的な方法は隔離

鐘氏は「感染症の初期において、多くの感染者が自宅にいたため、家族がそれで感染してしまった。そのため最優先任務は、大量の感染者を健常者から隔離することだ」と述べた。

シモンズ氏は武漢の封鎖措置を評価し、「武漢が封鎖された当初、多くの人がこれを疑問視した。しかし現状を見ると、この措置の効果は顕著だ」と述べた。

鐘氏は「1月23日の武漢閉鎖は非常に力強い全国的な早期感染対策だ。隔離は重要な一歩だ。感染は急速に拡大する。他国もこのような措置を講じるべきだと思う。特効薬がない状況下、都市封鎖は感染の蔓延を阻止する最も古く最も効果的な手段だ」と強調した。

◆臨床治療の経験共有、薬品試験の進捗

鐘氏によると、SARSと新型肺炎患者の肺病理学生検結果を比較すると、最も大きな違いは新型肺炎患者の気管支及び肺胞に大量の粘液があり、粘り気が強く取り除くことが困難で、気道の通りを阻害している点だ。この取り除くことが困難な粘液は、重篤者を死に至らしめる主な原因の一つである可能性がある。そのため人工呼吸器の応用を改善するため、治療に際しては気管支または肺胞における粘液の蓄積をいかに減らし、患者の状況の悪化を防ぐべきかを検討するべきだ。

鐘氏によると、2月17日までに新型肺炎向けの150種近くの臨床薬品試験が行われている。これにはレムデシビル、リン酸クロロキン、及び各種中国医薬が含まれる。

◆先手を打つことが感染症対策のカギ

鐘氏は、感染者と感染の疑いのある患者のデータを毎日更新・公表することが重要な措置と判断した。また、共同感染対策メカニズムを始動し、早期の発見、報告、隔離、治療を堅持することが感染対策のカギになると強調した。

鐘氏はWeb会議の中で、さらに中国の感染対策の経験を紹介した。これには軽症者を収容する臨時医療施設の建設、感染拡散の早期阻止などが含まれる。

鐘氏は「一部の欧州諸国で次々と流行しているが、早急に拡散を防止するべきだ。検査により新型肺炎とインフルエンザを区別する必要がある。中国は自国の経験を共有し、欧州呼吸器学会と連携していきたい」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年3月13日

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