ますます多くの若者が一人暮らしを選ぶのはなぜ?

人民網日本語版 2021年06月02日14:44

現在の部屋に住み始めてほぼ3年になる楊さんは、一人で暮らす感覚がますます気に入っているという。楊さんは一人暮らしの長所を数え上げ、「家中の明かりを付けっぱなしにしておけること、音楽を流しっぱなしにできること、寝たいときに寝られること……」などと話した。人民日報海外版が伝えた。

一人で暮らし、二つの目は眠りたい時に閉じ、三食ともデリバリーで、四季を通じて淘宝(タオバオ)で買い物……これがおそらく一人暮らしの人の生活の様子だろう。

民政部(省)がまとめた統計では、2018年に中国には一人暮らしの成人が7700万人以上いて、そのうちの20%が深セン、北京、広州、上海に分布する。この数字は今年、9200万人になる見込みで、その大多数を若者が占める。

多くのSNSやニュースサイトには、「一人暮らしのアドバイス」などの話題がよく登場し、そこではネットユーザーが自分の一人暮らしの経験を他のユーザーと共有している。一人暮らしの若者数人に取材したところ、彼らの暮らしの様子を間近で知ることができた。

一人暮らしは快適?

前出の楊さんは2017年に大学を卒業して、北京の事業機関に就職した。19年に2年間住んだ寮を出て、一人暮らしを始めた。

現在の住まいは50平方メートル余りあり、完全に自分好みのインテリアにすることができ、共同の台所やトイレで誰かと順番を争うことはない。「一人暮らしは本当にいい」と言う。

一部のSNSでは、ネットユーザーたちが一人暮らしの体験を次々に発信して共有する。長沙で一人暮らしをして3年半になる「@PopMix」さんは、「週末は自然に目が覚めるまで寝ていられるし、それから外に出てスーパーをぶらぶらして買い物し、帰り道についでに花を摘み、部屋はきれいに掃除する。午後はコーヒーをいれて、好きなテレビドラマやバラエティ番組を選び、ソファに陣取ってドラマを見ていると、隣に猫が寝転がっている。こんな具合で平凡な1日かもしれないけれど、自分はとても満足している」と発信した。「杏仁」さんは、「1人で自分の部屋で火鍋を食べ、映画を見るのは、非常に快適だ」と述べた。

一人暮らしの人が1千人いれば、暮らしに対して1千通りの感じ方がある。ただ全体として言えるのは、「気まま、独立、気楽」が、若者の一人暮らしを選択する理由ということだ。

とはいえ大勢の若者の一人暮らしは受け身の選択であり、やむを得なかったからというケースもままある。北京航空航天大学マルクス主義学院の張恒力教授はかつて発表した論考の中で、「荷物を背負って故郷に別れを告げ、都市で夢を追いかける若者は、『忙しい』や『一生懸命』が以前から彼らの代名詞になっている。朝は目覚まし時計と1分1秒を争うようにして始まり、毎日残業したり夜更かししたりして、疲れ切った状態にあるのが、多くの若者のリアルな姿だ」とした。

仕事が忙しいので、多くの若者が自分一人でいることを選ぶようになる。若手作家の馬歓さんは取材に答える中で、「北京・上海・広州・深センなどの大都市では、若者は仕事のプレッシャーが大きく、テンポが速く、友達も多くない。仕事の後や週末には一人でいたいとより強く願う」と述べた。

オフラインでは一人、オンラインではみんなとにぎやかに

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