2021年の常住人口の増加を都市別に見ると、成都が24万5千人増加で1位、杭州が23万9千人増加で2位だった。上位10都市には成都と杭州のほか、青島、鄭州、寧波、南京など、新一線都市がずらりと並んだ。一線都市を見ると、北京は4千人減少、上海は1万700人増加、広州は7万300人増加だった。
偏見やこだわりがなくなった中国の若者
「北京、上海、広州にあるものはここにもほぼ全部あるし、それらの都市にはここにあるような生活感がない」と話す傑さんは、山東省の出身で、2年前に上海から成都に移ってきた。成都に定住したのはたまたまで、もともと上海に定住するチャンスはあったが、あまりにも高い不動産価格を前にして尻込みしていたところ、うまい具合に成都で働くチャンスがやって来たので、成都での定住を考えるようになったのだという。傑さんは職業の選択という点で、「成都の見通しは良好だ」とした上で、「チャンスは一線都市よりやや少ないが、イノベーションや起業のムードが濃厚だ」と話した。
就職情報サイト「猟聘網」が発表した「2022年新一線都市人材誘致力報告」によると、2017-21年の5年間にミドル・ハイレベルの求職者が一線都市と新一線都市で履歴書を送った割合を見ると、一線都市は低下傾向にあり、17年の45.33%から21年は36.87%に低下した。一方、新一線都市は17年の31.52%から21年は35.03%に上昇し、ますます一線都市に近づいている。同期には、新卒生が一線都市と新一線都市で履歴書を送った割合も似た傾向を示した。
求人数でも履歴書を送る人の数でも、杭州、成都、蘇州がトップ3を占め、需給ともに旺盛だった。
若者がある都市を好きになる要因は何か?
「新一線都市Z世代若者消費トレンド報告2021」によれば、ある都市を好きになる理由をたずねたところ、回答した人の70%以上が「生活にゆとりがあり、帰属感を持てて、生活感がある」を首位に挙げたという。
同報告は、Z世代に人気がある新一線都市の特徴として、次の3点を挙げた。(1)経済発展レベルが高く、十分な雇用機会がある(2)カフェ、書店、「マーダーミステリー」、バーなどの文化・娯楽の空間があり、遊びや楽しみに事欠かない(3)住宅購入の圧力が相対的に低く、若者が一定レベルのちゃんとした生活を送れる。
傑さんは、「よそから来て成都に住んでいる人の多くは、成都を選んだ理由について話す時にみんなこの都市の包摂性に触れる。ここでは、髪を金髪に染めたかったら染められるし、チャイナドレスを着たかったら着られる。ここの歩行者天国の春熙路には、さまざまな奇抜な服装をした人が歩いているが、誰も驚いたりしない」と話した。
また傑さんは、「成都の若者はみんな自分を解放して、自分らしく生きている。それから成都の人は排外的ではない、という点がとても重要だ。これも成都が人を引きつける点の1つだ」と話した。
ますます多くの若者が「牛後となるも鶏口となるなかれ」との考えを変えつつある。彼らはもう無計画に一線都市に押し寄せず、ある都市が自分にふさわしいかどうかをより重視するようになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月7日