生態環境部(省)によると、中国は「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」を実行して30年にわたり顕著な成果を収めている。累計でオゾン層破壊物質(ODS)を約50万4000トン淘汰し、オゾン層を保護すると同時に気候変動を遅らせる大きな利益をもたらした。人民日報が伝えた。
国際社会は1989年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」を締結した。締約国と国際社会の共同の努力により、同議定書は99%超のODSの淘汰に成功し、大きな環境と健康の効果を実現した。中国政府は1991年に締約国となり、同議定書が定める国際的な義務をしっかり果たし、約束を守った。クロロフルオロカーボン、ハロン、四塩化炭素、トリクロロエタン、臭化メチルという5大ODS制限物質の全面的な淘汰を相次いで実現した。中国は現在、最後のODSであるハイドロクロロフルオロカーボンの淘汰に取り組んでいる。
生態環境部は同議定書の履行メカニズムに基づき、中国の国情と関連産業の実情を踏まえ、国際公約の義務をしっかり果たし、責任ある大国としてのイメージを守っている一方で、関連産業のモデル転換と高度化の推進に取り組み、優位に立つ業界の国際競争における優位的な地位を保っている。
業界の全体淘汰メカニズムの構築、政策と標準による誘導の強化、代替品の研究開発と応用の強化を通して、中国は複数の措置を講じ、公約の履行と淘汰を行ってきた。30年にわたり同議定書の多国間基金から寄贈された14億6300万ドルを利用し、32業界の全体淘汰計画を実行し、淘汰プロジェクト400件以上を実施した。また100本を超えるODS関連生産ラインを閉鎖し、1000社に上る企業による代替技術改造を支援し、ODSの生産と使用を効果的に減らすとともに、中国の関連業界による、独自の知財権を持つ代替技術の発展と推進拡大・応用を進めている。
研究報告書によると、中国は過去30年のODS淘汰により、二酸化炭素換算で計約230億トンの温室効果ガスの排出を回避した。これは中国の2021年の二酸化炭素排出量の2倍以上に相当し、排出削減の成果が顕著だった。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年12月7日