項羽が秦の始皇帝陵を破壊した証拠発見?

人民網日本語版 2023年01月17日14:56

陝西省文物(文化財)局はこのほど開いた記者会見で、秦兵馬俑1号坑の3回目の発掘作業で、陶俑約220体を発掘したことを明らかにした。初歩段階の調査で、その軍隊の配列のルールや陶俑の製作過程が明らかになったという。また、通路の形跡からして、秦末期の楚の武将・項羽が秦始皇陵園や兵馬俑坑を破壊したことを力強く裏付けているという。中国新聞網が報じた。

秦兵馬俑1号坑(撮影・張遠)。

秦兵馬俑陪葬坑は、秦始皇帝陵園の周囲にある大型陪葬坑で、面積が最も大きいのが1号坑となっている。形は長方形でその配列密度から、最終的に陶俑や陶馬、合わせて6000体以上が出土すると推測されている。秦始皇帝陵博物院は2009年から2022年にかけて、1号坑の3回目となる発掘を行っており、発掘面積は約430平方メートルとなっている。

発掘エリア(写真提供・陝西省文物局)。

現時点で発掘されたのは陶俑約220体、陶馬16体、戦車4台。その他、車馬具や兵器、生産道具など、合わせて約1000点(組)も発見されたほか、考古学的発掘を通して重要な発見と新たな情報も得られた。

発掘作業をする作業員(写真提供・陝西省文物局)。

また秦始皇帝陵博物院の研究員・申茂盛氏は、「今回の考古学的発掘により、通路に掘られた跡があることが分かり、そこを通って誰かが俑坑の中に入ったと推測されている。通路から俑坑に入って破壊した人は、俑坑の建設に参加した人に違いない。考えられるのは、項羽に降伏した秦兵で、項羽の命令で破壊したとすれば、いとも簡単にできたに違いない。そのため、通路の形跡は、項羽が秦始皇陵園や兵馬俑坑を破壊したことを力強く裏付けている」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年1月17日

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