内蒙古(内モンゴル)科学技術庁が11日に明らかにしたところによると、内モンゴル自治区科学技術重要特定プロジェクト「MW級フライホイール蓄電重要技術研究」プロジェクトのモデルプロジェクトが、二連浩特(エレンホト)市で系統接続に成功した。同プロジェクトは「フライホイール蓄電+リチウム電池ハイブリット蓄電」新エネルギー現場周波数制御応用で、3台の1MW級フライホイールアレイを協同的に制御し、3MWリチウム電池とハイブリット蓄電システムを形成し、二連浩特の99MW風力発電所に周波数制御サポートを提供する。科技日報が伝えた。
プロジェクト責任者の魏暁鋼氏は、「フライホイール蓄電は低摩擦環境で中高速で回転するホイールを利用しエネルギー貯蔵を行う。電気エネルギーを利用しフライホイールを加速し、電気エネルギーを機械エネルギーとして貯蔵することがその作業の原理だ。電気を必要とする時にフライホイールが発電機を動かし、機械エネルギーを再び電気エネルギーに変換する」と説明した。
フライホイール蓄電は出力密度が高く、起動もスピーディで、特定シーンにおいて非常に実用的だ。例えばデータセンターで急に停電が発生した場合、データの喪失を回避するためには、蓄電システムのスピーディな反応とスピーディな起動が必要になる。
同プロジェクトが2020年に実施された後、技術チームはフライホイール蓄電に関わる力学、電磁学、熱学、電力システム・制御などの学際的問題の研究を深めた。大規模蓄電高張力鋼及び複合材料回転子の設計・製造、大容量高速永久磁石電動発電機の低損耗設計、高効率大容量コンバータ及びその充電・放電制御、高信頼性・大荷重磁気軸受及びその制御、フライホイール蓄電磁・電・熱・機マルチサブシステム集積、フライホイール蓄電アレイ協調制御などの重要技術のブレイクスルーを達成した。うち真空中大出力高速電動発電機とフライホイール蓄電高頻度充電・放電制御で世界のトップレベルに達した。
専門家は、「新エネ発電の間欠性と変動の特性は、電力網の周波数の安定性と電力供給の信頼性に大きな課題をもたらした。フライホイール蓄電の電力網における幅広い応用は、電気化学蓄電が直面する環境の影響と、充電・放電回数の制限の難題を解決することができ、電力網の運営の安全性及び新エネの吸収の割合を大幅に高めるだろう」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年6月16日