北京国際映画祭でチャンスを狙う人々
第3回北京国際映画祭における中国側の最終的な目的は映画祭を通して、より多くの映画出資会社の視線を引き付けることにある。これにより、映画製作会社の特殊効果の製作プロジェクトは安心して中国にまわってくることになり、中国はより多くの映画プロジェクトを得ることができる。「北京商報」が伝えた。
■映画製作会社
低予算映画の最大の難題は資金繰りだ。ときには宣伝費を確保できなくなることもある。映画祭はそんな低予算映画に宣伝と配給のプラットフォームをほぼ無料で提供する。
■低予算映画
北京国際映画祭では、低予算映画はまったく差別を受けていない。記者が観察したところ、「安娜的天使」のほかにも、「迷局」、「歩歩追魂」(江澄監督)など、いくつもの映画が低予算映画に属している。
実際、経費上の制約から、多くの中国のアートシネマは早くから、映画祭への道に活路を見出してきた。これまでも、有名な賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督から新進監督の鳥爾善(「刀見笑」、「画皮2」など)まで、有名になる前は、映画祭に参加することで、自分の映画を市場に出す努力をしてきた。今回映画祭に参加している王若寒監督の「安娜的天使」も、今回の北京国際映画祭を通して宣伝を行う多くの低予算映画の一つの例に過ぎない。
業界関係者によると、鑑賞者が限られる非商業映画はさまざまな映画祭に参加する。その目的としては、以下の2点が挙げられる。(1)ヴェネチア国際映画祭、カンヌ国際映画祭などが含まれる世界的な映画祭に参加すれば、映画の商業価値が弱まったとしても、芸術的な付加価値をつけることができ、さらにタダ同然で宣伝をすることができる。また映画製作チームにとっては、映画祭のような国際的なプラットフォームで映画を宣伝すすることは、その後の映画配給に向けて人脈を作る機会にもなる(2)映画祭で賞を受賞すれば、一般的に政府側から資金援助が出る。非商業映画は製作費の一部を回収することができ、もしかしたら利益を生むことになるかもしれない-----。
低予算映画に対する差別がないだけでなく、第3回北京国際映画祭ではさまざまなタイプの映画交流の場を設けている。映画祭を通して、「太極侠」(Man of Tai Chi)や「トランスフォーマー4(仮題)」、3Dドキュメンタリー「皇城北京」などの大規模製作の映画の記者会見だけでなく、「我們的安娜」、「天津閑人」、「迷局」などの異なるタイプの映画のプレスミーティングも行っている。「映画製作会社からすれば、映画祭は我々に宣伝や配給にとって非常に有難いプラットフォームを提供してくれている」と王若寒監督は語る。