陳可辛監督の「甜蜜蜜」を再上映
イタリア現地時間の1日夜、陳可辛(ピーター・チャン)監督の代表作「甜蜜蜜」(邦題「ラヴソング」)が修復を経て、ベネチア国際映画祭で上映され、観客の人気を集めた。陳監督は父親の陳銅民氏をともなって観賞し、陳氏は「これほど長い時間の後でも映画は人を感動させることができる。大変なものだ」と語った。陳監督は「香港住民と中国大陸部の人間が『甜蜜蜜』の映画同様、修復後の関係がよりよくなることを望む」と語った。環球網が伝えた。
「甜蜜蜜」は1996年の香港返還前、つまり中国語芸能界で有名なトウ麗君(テレサ・テン)が死去した翌年に、その特殊な時代背景を基に20世紀末の香港の新移民の困難な生活を描き、トウ麗君の歌「甜蜜蜜」と相まって中国大陸部や香港、台湾地区などの中国人の共感を得た。
陳監督は映画上演の前に挨拶し、終わりに「香港住民と中国大陸部の人が映画のように、修復後の関係がさらによくなるよう希望する」と述べた。香港住民と中国大陸部の人間との関係は悪化していると思うかと問われた陳監督は「間違いない。皆、人種意識でお互いをとらえているからだ。映画では、観客は徐々に人間をあるグループではなく独立の個人としてとらえられるようになっている。もし誰かをあるグループや人種としてとらえたなら、概略や定説を持つことだろう。しかし実際には、それぞれの人種にいい人も悪い人もいる。相手を個人としてとらえることで、友人にしろ敵にしろ、個人にすることが重要だ。物事をより客観的、独立にとらえるべきだ」と語る。
「甜蜜蜜」は香港の陳可辛監督の代表作で、張曼玉、黎明、曽志偉らが出演し、1996年に公開された。同作品は第16回香港映画金像賞など9つの賞、台湾映画金馬賞最優秀脚本賞、米国のシアトル国際映画祭最優秀作品賞などを受賞し、「タイム」では同年度の世界での優秀な作品トップ10で2位に選ばれている。20世紀末で最も成功したラブストーリー映画とも称される同作品のヒロイン、張曼玉は「阮玲玉」に続いて2回目の金像賞、金馬賞のダブル受賞を達成した。(編集YH)
「人民網日本語版」2013年9月3日