「中国人留学生の多くは帰国しない」は嘘 (2)

　○1978年-2012年末、留学生の7割が帰国

　ネット上では、「中国の優秀な人材が海外に流出する事態はかなり深刻」という説もまことしやかに伝えられている。この説では、その根拠として、「1978年来、106万人の中国人学生が海外に留学したが、そのうち帰国したのは27万5千人のみ」という政府関連データが示されている。教育部（教育省）留学サービスセンターの発表した統計データによると、1978年から2012年末までに海外に留学した中国人は累計109万1200人と、中国人留学生総数の72.38％を占めた。2012年に帰国した人は27万2900人、前年比46.57％増加した。

　留学帰国組は、「高学歴」をはじめ多くの特徴を備えている。教育部留学サービスセンターが発表した「2012年留学生帰国就業報告」によると、2012年に海外留学から帰国した人のうち、修士号取得者は約80％を占め、専攻学科は経営学、経済学、理学、工学の4学科が多勢を占めた。帰国者が多かった留学先国トップ3は順次、英国、米国、オーストラリア。

　○ここ数年増加の一途を辿る留学帰国組

　北京大学社会学部の銭民輝・教授は、「今は、留学生が帰国するタイミングと条件が、かなり整ってきている。新しい領域や新しい職業では、人材不足がますます進んでおり、帰国して創業する人に対する優遇条件や需要もどんどん拡大している」との見方を示した。