「中国人留学生の多くは帰国しない」は嘘
留学生の7割が帰国 中国では、国内大学卒業生の留学問題が、このところずっと、世間の関心を集める話題となっている。「清華大学や北京大学などの名門大学では、ほとんどの卒業生が留学する」「留学生の多くは留学したきり帰らず、帰国者の割合は極めて低い」といった噂が広まる中で、「中国の名門校は、海外エリートの養成所」「中国の基礎教育は、海外で活躍する人材を育成するためのもの」と感じている人は少なくない。人民日報が伝えた。
○「清華大・北京大卒業生のほとんどが留学する」は真実?
清華大学就職指導センター担当者は、「本校では、卒業生一人一人につき、卒業時に就職指導センターで卒業後の進路や就職先を登録してもらっている。それに基づく過去5年の統計データによると、卒業後留学した人の割合は、学部卒業生が25%、大学院修了生が8%で、卒業年度による変動幅は小さい。留学生の多い留学先国は米国がトップで、英国が続いている」と話した。
北京大学就職指導センター担当者は、「本校では、卒業後海外で勉学を深める卒業生は毎年800人から1200人おり、このうち学部卒業生は約30%、大学院修了生は約5%を占めている。留学先国は、米国が70%を占める。留学先での専攻は、数学、物理、化学、バイオサイエンスなど理工学系の基礎学科が主流」と説明した。
北京大学心理学科の侯玉波・准教授は、「国内で留学ブームが始まった頃は、留学生のほとんどが清華大学と北京大学の学生だった。しかし、留学生総数が増えても、両校の卒業生全体に占める留学生の割合には、それほど変化はなかった。というのも、最近の学生は、学部在学中に体験するさまざまな海外交流プログラムによって、『海外で学びたい』『海外で見聞を広めたい』というニーズが十分満たされるケースが多いことによる」と指摘した。
北京大学社会学部の銭民輝・教授は、「卒業生の多くは国内にとどまる。特に、学業成績優秀者や学術上での潜在能力や特別な才能に恵まれた人は、卒業校からの推薦を受けて、国内の大学や研究機関に入る場合が多い」と語った。