▽襄樊叫化鶏
叫化鶏の由来には民間の伝説がある。昔、ある叫化(物乞い)が鶏一羽を得た。生で食えるものではなく、調理したいと思ったが、調理器具も調味料もない。虎山のふもとで鶏を殺し、内臓を取り、羽が付いたまま黄土の泥を塗って火にかけた。泥が固くなってからこれを取り除くと、羽は泥と一緒に落ち、独特な香りのある料理ができ、これが人々に広まったのだという。
社会の進歩に伴い、叫化鶏の調理法も洗練度を高めていった。現在、襄樊地区で叫化鶏を作る方法は次のようなものである。まず良質の鶏(現地の三黄鶏または地鶏を使い、ブロイラーは避ける)を選ぶ。鶏を殺して羽を取り、内臓を除いて洗浄し、椎茸やハムなどの具とネギや生姜、八角、胡椒、料理酒、砂糖などの調味料を鶏の中に入れ、ハスの葉で包み、黄土を塗り、これをじっくり焼いてできあがりだ。泥の殻を破り、ハスの葉を取り、皿に盛り付け、ごま油をかけ、ごまの甘味噌をつけて食べる。鶏をまるごと使ったこの料理は、光沢ある皮、しなやかな肉、あっさりしながら深い味わい、素材の生きた味、芳ばしい香りで、襄樊地方独特の味を作り出している。