毛丹青氏独占取材(4)「日本を知るために力を尽くしてきた」
資料写真:吉田富夫氏と莫言氏と毛丹青氏 |
以下は人民網が行った毛教授の独占インタビューの要旨。
人民網:莫氏の作品は毛教授の作品に影響を与えているか?参考にしている莫氏の手法などはあるか?
毛教授:影響はない。我々の作品は完全に別物。私は日本に活躍の場を求める紀行作家で、内容といえば旅行記の類のものばかりで、フィクション小説ではない。
人民網:容易でない日本語での創作活動をいかに成し遂げているのか?
毛教授:当然、しっかりとした言語の基礎が必要だ。私は十数年にわたり中国人作家と緊密な交流を交わしてきた。これが、知恵の向上の源となった。外国語である日本語で文章を書く上では、召使いのような気風ではなく、君主的な気風が必要。言葉の面でも、「自分が新しいものを創造するのだ」というぐらいの意気込みが必要。もちろん、基本的な事はきっちりしなければならず、文法の間違いなどは許されない。中国人作家との交流が私の創作に大きな影響を与えている。
人民網:きめ細かな作風だが、日本での生活と関係があるか?
毛教授:ある。一種の対抗意識のようなものがあって、日本人の作品はどれもくどいほどきめ細かいので、自分はもっときめ細かく書いてやろうという気になる。これは、一種の逆思考で、「日本人が決め細かいから、自分はおおざっぱに」というものでは決してない。これは多分、日本での生活と関係があると思う。
人民網:創作活動に携わりたいと思っている若者に、何を願うか?
毛教授:若い人は決して軽はずみなことをしてはいけない。やり始めたことは最後まで成し終えなければならず、いろんなことに手を出す必要はない。私が日本で25年暮らしている中で、成し遂げたいことはただ1つ、「日本とは一体どんな場所なのか」、それを理解すること。すべての精力をこれにつぎ込んできた。今、浮ついた人が多い。浮ついていると、何かあるとすぐにうろたえてしまう。何をするにしても、じっくりすればいい。何かを見つけた時、決して高望みをしてはならない。これはプレッシャーを小さくする方法の1つ。苦痛な時、落ち込んでいる時、周囲をじっくり見てみると、必ずなにかプラスのものを見つけられるはず。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年11月23日
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毛丹青氏独占取材(3)莫言氏と日本人文学者の懸け橋