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「産業化」された莫言氏 文学そのものの評価が重要

 ノーベル文学賞受賞者の莫言氏の実家、山東省高密県は6億7000万元(約83億7500万円)を投じ、「紅いコーリャン」文化を発揚するという。莫氏の作品のドラマ・映画版の放映権を巡り熾烈な争いが繰り広げる中、莫氏と契約を交わした企業が上場を予定している。莫言研究会の理事が、ビジネス界の争奪の的となっている。莫氏に卒業証書を授与した文学院は、ノーベル文学賞授賞をPRして知名度を高めており、募集枠の拡大も予想されている。莫氏が数年前に創作したテレビドラマの脚本の手書き原稿に、120万元(約1500万円)の値がついた。間もなく出版される「莫言文集」は100万部以上刷られ、総額7億元(約87億5000万円)に達する見通しだ。莫氏の名前をブランドとした各種商品も開発中だ。人民日報が伝えた。

 莫氏の名前とその文化産業が、一瞬にして資本市場と結び付けられ、今後の価値高騰も予想されている。これは莫氏本人の意図するものとは限らないが、「産業化」もしくは「想像の中の産業化」は争うことのできない事実となっている。

 ノーベル賞受賞に伴う産業化の波がいつまで続くかは知るよしも無い。しかし、1人の作家がここまでビジネス界から注目され、産業チェーンが拡大し、関連商品が絶えず開発され、持続的な付加価値効果が生まれるとは、文化の産業化が促進される今日、深く考えるに値することだ。

 莫氏の「産業化」から、文化の産業化が多くの人々にとっての夢であることが分かる。一つのジャンルから、ある個人や一つの作品にいたるまで、無限のビジネスチャンスを開発することができる。一本の産業チェーンを形成し、関連商品を生み出し、資本市場と結びつけ、商業利益の最大化を図る。これはすでに一つの共通認識となっている。莫氏の産業化は、まだ計画や想像の段階に留まっており、その中には「憧れ」の要素も多く含まれる。しかしその文学作品を読んでいる最中、もしくはまだ読んでいないうちに、文学以外の利益を考慮することは、文化の産業化の誘惑が文化そのものを呑み込みつつあることを示している。

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