GDPだけではない時代 地域の経済局面が変わるか
中国共産党中央委員会の習近平総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)はこのほど湖南省を視察した際、次のように述べた。われわれはこれほど大きな国家、これほど多い人口を抱えて、引き続き経済建設を中心に置くという方針をしっかり堅持しなくてはならない。これと同時に、持続的で健全な発展と生産額の増加との関係を全面的に理解し、発展を生産額の増加と単純化したり、生産額ランキングの高低ばかりを競ったり、ひたすら英雄を目指したりするようなことは防がなければならない。人民網が伝えた。
党中央の大衆路線教育実践活動指導チームが発行した「『四風』の突出した問題をめぐる制度建設の特定の整備・強化の展開に関する通知」では、「国内総生産(GDP)だけで幹部を起用・抜擢することを断固是正する」方針がうち出された。これは党が大衆路線教育実践活動をスタートしてから、中央の文書において「GDPのみの評価」の是正をうち出した初めてのケースだ。
最近、全国各地で今年第3四半期(7-9月)のGDPが相次いで発表されている。これまでに発表されたデータをみると、増加率は天津市が12.9%で全国トップだ。過去10年間の全国各省・自治区・直轄市のGDP増加率をふりかえると、2003-09年は内蒙古(モンゴル)自治区自治区が7年連続でトップに立ち、10年からは天津市がトップの座を保つ。第4四半期(10-12月)に思いがけない事態が発生しなければ、今年も天津が一番とみられる。
国家統計局がまとめたデータによると、内蒙古のGDP増加率は03年が17.9%、04年が20.5%、05年が23.8%、06年が19.1%、07年が19.2%、08年が17.8%、09年が16.9%だった。ある専門家の見方によると、内蒙古が高度成長を維持した原因は、なんといっても比較の対象となる数字の低さにある、03年のGDPは2388億3800万元に過ぎず、10年になるまで1兆元を突破できなかった。その次は資源という優位点だ。内蒙古には石炭など豊富な鉱物資源があり、これまでの経済の拡大によってこれらの資源への需要が高まり、価格が持続的に高騰した。また資源の高騰が不動産などの投資を盛んにした。こうした要因が相まって、内蒙古の経済は長年にわたって20%前後の高度成長を維持し、増加率は最も高かった05年には23.8%に達した。