スリルを欠く日本の参院選 最後の攻勢をかける安倍首相 (2)
■憲法改正に向けて最後の攻勢をかける
安倍首相は16、17両日に沖縄県および離島の石垣島と宮古島を訪れて演説したほか、海保と航空自衛隊を視察した。選挙期間に離島を訪れて演説するのは実に異例だ。これついて星氏は、参院選で3分の2の議席を獲得するために最後の攻勢をかけたとの見方を示した。
星氏によると、自民党の優勢は明らかだが、沖縄では自民党はそれほど人気がない。安倍首相は米国の歓心を買うために米軍基地移設問題をあくまで推し進めて有権者を怒らせた。沖縄を訪れたのは劣勢挽回のためなのだ。海保と航空自衛隊の視察も、日本の領土を守る決意を仰々しく顕示して、さらに多くの票を勝ち取るためだ。
安倍首相は15日、長崎国際テレビのインタビューで憲法9条改正の意向を初めて表明し、世論を驚愕させた。これまで安倍首相は仰々しく憲法改正を望んできたが、憲法改正の条件を緩和するために憲法96条を改正する意向を表明するだけだった。今回9条改正に直接言及したのは、憲法改正に賛同する各勢力を結集して、参議院で3分の2の議席を勝ち取るためだと指摘される。
だが星氏によると、安倍首相個人は憲法改正に大変熱意を持っているが、憲法改正はそう簡単では決してない。憲法はすでに66年間の歴史を持ち、その間改正派はずっと動いてきたが、実現することはなかった。その上、日本社会は憲法改正に対して極めて慎重であり、どう改正するかの議論がはっきりするまでは、本格的な日程化は困難だ。したがって、憲法改正は今回の参院選では中心的問題にならない。