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日本経済を破滅にいざなう「安倍経済学」 (2)

「週刊!深読み『ニッポン』」第39回

 日銀の白川方明総裁の任期は、2013年4月までとされている。日銀総裁の任命権は国会にあるが、安倍総裁が16日の総選挙で勝利を収めた場合、安倍氏の意向が来年の日銀役員選出を左右する。安倍経済学の「インフレ目標」に同意する人のみが、日銀総裁の座につくことができる。白川総裁は日銀の独立性を守ろうとしているが、次の総裁がどのような発言をするべきか、すでに知る者はいない。日銀法の改正は、安倍総裁のスローガンの一つだ。日銀の独立性は、安倍総裁の首相就任により、大きく損なわれるだろう。

 交通料金・水道電気料金・学費が低下せず、工業製品もしくは輸入食品の価格が低下した場合、デフレが生じたと言うことは正しいだろうか。この点について、日本の経済学界ではまだ議論中だ。経済学のうちもっとも定型的な理論は、インフレ理論だ。インフレ抑制は各国の中央銀行の主要任務である。紙幣の過度な印刷による経済混乱は、人類社会ですでに数え切れないほど発生している。

 安倍総裁の主張するインフレ理論は、日本に物価高騰をもたらすが、その結果国民の生活に深刻な影響をもたらす。家電・鋼鉄・造船等の産業が衰退し、自動車等の産業が工場を海外に移転する中、今回の総選挙に参加する16の政党は、日本で発展を継続できる産業を見出していない。各政党は産業政策に対して新たな主張を持たず、日本の財政赤字の解決策を講じていない。これは日本が直面している最大の問題であり、単なるインフレ目標だけで実現できるものでもない。

 日本の財政赤字は過去20数年間で膨らみ続け、銀行はすでに十分な紙幣を印刷しているはずだが、インフレが生じていない。国民消費・企業投資の減少により、流出した紙幣が再び銀行に戻っている。これにより、人々が期待する円安・株価上昇が実現されていない。安倍経済学により過去10数日間で市場に生じた変化を、今後いつまで継続できるかについて、日本経済界はまだ見定めていない。

 物価高騰が生じた場合、円の購買力が大幅に損なわれ、必然的に円安が生じるだろう。しかし日本国内には、輸出可能な商品は余り多くない。円安により輸入できる商品が減れば、日本国民の生活は本物の厳冬に突入するだろう。経済全体の混乱は、必然的に日本の株式市場の再度の崩壊を招くはずで、株価上昇などはもってのほかだ。

 安倍経済学の制定者は、これらのことをまったく理解していない。しかし今の日本には特殊な空気が満ちており、多くの人は「インフレにより最も損をするのは資産家だ」と考えており、インフレが最終的にもたらす破滅を気にかけていない。少しでも経済学の知識のある人ならば、安倍総裁の経済システムによる結末を予想でき、日本経済のさらなる衰退を予見できるはずだ。(編集YF)

 (本文章は人民網日本語版の著作権コンテンツです。書面による許諾がない限り、同コンテンツを無断で転載することを禁じます。)

 「人民網日本語版」2012年12月14日

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kishido   2012-12-17112.139.163.*
私もそう考えます。政府は本来の消費中心人口であるべき人たち(全消費人口の70%以上の国民の所得を確保せず、大企業に対してのみ所得を集中させる政策を取るつもりである。阿部政権がとる政策では消費中心人口への所得配分は出来ない。よってインフレ目標はコストアップだけをおこし、消費の拡大には結びつかない。日本経済は益々低下するでしょう。
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