妄想症を患った米国 (2)
同様の手法はイランによる原子力の平和利用に対しても姿を見せ、核兵器の噂が大々的に流れた。シリア戦争の膠着時にも要の役割を発揮し、化学兵器の噂が飛び交った。
嘘は長続きしない。アメリカのノウハウは歴史的出来事に基づき他国が自らの脅威となる行動に出るかどうかを判断するというものだ。一方、他国のノウハウはアメリカの良からぬ行為に基づきそれが嘘をついているのかどうかを判断するというものだ。
病を患った米国は現在、妄想の対象を中国にシフトしている。世界第2の経済大国に躍り出た中国が、覇権国から猜疑心を抱かれるのは避けようがない。覇権国が覇権国となったのは、権力の杖を握っているその手が積年の鮮血に染まっているからなのだ。米国の懸念は実は妄想症を表に見せながら行っている対象のシフトだ。本質的には各分野で自らの絶対的優勢を維持し、長期的覇権を実現することをまだ望んでいるのだ。
信義誠実を美徳とする大国である中国は、すでに無数の場で世界平和を守る決意を表明している。第18回党大会報告は「永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張しない」方針を明確に打ち出した。われわれ中国は民が天よりも大きく、民生問題の解決こそが国家戦略の重点であるからだ。中国が覇権を唱えるとの数々の憶測については、権力が奪われることを心配する覇権国の歪んだ心理が災いしているに過ぎない。
重ねて表明しておく必要があるのは、中国は宇宙を平和的に利用する権利を有しており、しかも永遠にこれを放棄しないという点だ。いかなる妨害・破壊行動も、断固たる反撃に遭う。米国は世界の警察官の座を占め、宇宙の警察官の玉座も狙っているが、恐らくその実力はまだない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年1月10日