ベテラン外交官が明かす国家主席の特別機
--中国は民間旅客機を使用 習近平国家主席は26日、公式訪問のため特別機で南アフリカに到着した。国家指導者が特別機で外国を訪問することはみな報道で知っているが、特別機そのものについてそれ以上の報道はない。特別機とは一体どのようなものなのか?「完全武装」なのか?機内のサービスや座席はどうなっているのか?外交部(外務省)儀典局局長代理、初代駐スロベニア共和国大使を歴任した魯培新氏がこれらの質問に答えた。倹約励行のため、中国は指導者専用機は用意せず、外遊時には民間旅客機を臨時使用するのだという。烏魯木斉(ウルムチ)晩報が伝えた。
■専用機を用意しない理由--倹約励行
米国の大統領専用機「エアフォースワン」が五つ星ホテルのように豪華であることは世界中の人が知っている。だが中国は指導者が倹約を提唱しており、専用機を用意せず、装備も質素なスタイルを保っているうえ、一般の民間航空機を臨時使用して国家指導者の特別機に充てている。
「指導者外遊時の特別機は中国国際航空が責任を持ち、通常ボーイング747を使用する」と魯氏は説明する。まず中国民用航空総局に飛行任務が告げられ、中国民用航空総局特別機事務室が中国国際航空に手配を指示。乗員名簿を決定し、航空機の安全検査や改装を行う。命令から準備完了まで約1カ月かかる。
主席帰国後、特別機は元の状態に戻し、営業運行を継続することができる。無駄にならないのが1つの理由だが、より重要なのは安全上の配慮だ。
「航空機は長時間飛行しなくても問題を生じる。ずっと空港に駐機するわけにはいかず、普段も飛行する必要がある」と魯氏は言う。
中国国際航空も以前、国家指導者の専用機がないことについて「ボーイング747一機を飛ばさないことによる収入損失および減価償却など財務費用は1日4万ドルに上る。専用機を用意すると、コスト面で割が合わない」と説明した。
■旅客機をどうやって専用機に変えるのか--改装、安全対策
臨時使用とはいえ、一般の旅客機でもこのように重大な任務を担当するからには入念な改装を行い、全面的な安全対策を施さなければならない。
外遊前に特別機作業チームが航空機の安全点検を行い、数百万個の部品のうち1つも問題がないようにする。このほか、客室の改装も行う。「元々の座席は撤去し、国家指導者と代表団の搭乗、仕事、会談にふさわしいスタイルに変える」。
安全対策以外に、乗員はサービスを確保し、機内食や用品もしっかりと用意しなければならない。