重要な意義を持つ中印友好
中印両国は数千年にわたり良き隣人であった。中印友好は揺るがぬ本流であり、双方の根本的利益に合致する。(文:魏葦・在インド中国大使)
今月19日に李克強総理がアジア・欧州4カ国歴訪に出発する。インドがその重要な訪問先であることは、中国政府が中印関係の発展を強く重視していることを十分に物語っている。対印関係は中国外交の全局において非常に重要な位置を占めており、今後も一層重要性を増す。中印友好は揺るがぬ本流だ。21世紀に入り両国上層部は頻繁に働きかけ合い、多国間の場で緊密に協力している。経済的結びつきや文化交流も日増しに緊密化し、国益の共通面も拡大、深化し続けている。両国共に友好関係の維持が必須であり、これが双方の根本的利益に合致することを深く理解している。中印間には隣人間では避けがたい溝やもめ事がなおいくつかあるが、重要なのは友好という本流を押さえ、妨害を排除し続けることだ。
中国にはインドを抑え込む戦略的意図はなく、インドを包囲する戦略的計画もない。中国がインド洋でインドに対する「真珠の首飾り」を構築しているなどという事実は存在しない。中国はインド洋で正当な利益を有するし、インドも太平洋で正当な利益を有する。これは互いに矛盾しない。中印両国の二国間関係発展は第三国を排斥するものではない。国益はどんどん多様化している。ある分野で溝を抱える国同士が別の分野では協力し合うのも、極めて正常なことだ。両国間に溝が存在するからといって両国が互いに「抑え込んでいる」と考えることはできない。
中印友好は両国の未来にとって重大な意義を持つ。インドは12億の人口、若い人口構成、十分な労働力供給、十分に肥沃な土地、高度に発展した情報産業、競争力の高い民間企業、先進国と一致した金融制度を持ち、将来の経済発展の潜在力は巨大だ。インドは南アジアとインド洋の重要な位置にあり、東洋と西洋を結び、中東のエネルギー産出地を臨み、地政学的に明らかな優位にある。中印両国の友好協力は双方にとってメリットがあり、アジアさらには世界にとっても非常に重要な意義を持つ。