中国、660キロを路線バスを乗り継ぎ帰省した青年が話題に (2)
順調だったのは2日間だけ 徒歩の区間も
徐さんは1月27日午後、地図を片手に旅行バックを背負って出発。中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」で実況中継も行った。「初めは、とても順調だった。南方地方は交通機関が発達しており、田舎や村でも路線バスが通っている。中国の交通が急速に発展していることを肌で感じた」。
しかし、そんなスムーズな旅も2日で終わり、長江を超えたあたりから、厳しい道のりに一転。便数が少なく、路線バスが通っていないため、歩くしかない地域も多かったという。「路線バスが繋がっていない所は、1日に10キロ以上歩いた。想像していたよりたいへんだった」。
ミニブログを見ると、「もう一歩も歩けない」、「膝が割れそう」、「疲れから眠ってしまい、バスを乗り越してしまった。どこにいるのかわからない」など、徐さんの苦労が記録されている。
苦労のほか、徐さんは、「4日目、江蘇省の丹陽市と鎮江市の境界に到達した時、8キロ歩かなければならなかったけど、もう暗くなっていたため、ヒッチハイクしようと手を振ったけど、だれも停まってくれなかった。その後、大型トラックの運転手が停まってくれた。始めは少し心配だったけど、話しているうちにとても親切な人であることが分かった。その夜は旅館に泊まり、見知らぬ人との関係についてずっと考えていた」と綴っている。
「初めは『社会は冷淡だ』と憤っていたが、後になるといい人も多いことに気付き、他の人の事を気遣うことを学んだ」。
費用計7600円、安上がりではない
夜は数十元(10元=約140円)の安い旅館に泊まり、食事は路上で売っている安いもので済ませるという、路線バス乗り継ぎ旅行の末、7日後の2月2日午後、徐さんはついに実家のある臨沂市に着いたという。徐さんはミニブログを「この旅でいろんな収穫があった。クタクタに疲れたけど精神的に鍛えられた。こんな旅は一生のうち、1回しかできない」と締めくくっている。
今回の旅にかかった交通費はバス代が約140元(約2千円)。そのほか、旅館代や食費が計約400元(約5600円)と、合計すると車や飛行機で帰るのと比べてもそれほど大きな差はない。前代未聞の旅に、多くのネットユーザーが徐さんの「勇気に感服する」と評している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年2月6日