中国式道路横断 中国人はなぜルールを守らないのか
調査:中国人 赤信号で待てる限界は「90秒」
対策:赤信号の集団横断 最初に渡った3人処罰へ 石家荘
評論:「赤信号みんなで渡れば怖くない」 中国式道路横断を再考
罰則の不備が「中国式道路横断」を放任しており、実用主義が「誰もが近道を通りたがる」という考えを生み出している。生命時報が伝えた。
青信号を待ちきれず集団で道路を横断するといった「中国式道路横断」はこの半月の間に、ネットやメディアの最もホットなキーワードとなった。この背景には、中国人がルールを守りたがらないという深刻な問題が隠されている。ルールを守らない例として、程度が軽いものには信号無視、ゴミのポイ捨て、勝手な駐車などがあり、程度が重いものには裏入学、偽造品の製造、汚職や賄賂等がある。数千年前から「規則がなければ、何事もうまく行かない」と、規則を重視してきた中国人が今、「規則を守らない」という烙印を押されている。その原因は何か?
◆交差点で1時間当たり600人が信号無視
10月22日午前7時30分、北京市海淀区の大きな交差点で、交通指導員が赤旗を振りながら「下がって、下がって」と絶えず大声で叫んでいた。10数台の電動バイク、自転車、20数人の歩行者が、交差点に向かいじりじりと前進していた。足元に引かれた停止線に注意する人はいなく、すぐそばの歩道橋には2、3人の利用者しか見られなかった。赤信号が青に変わる前、ある歩行者は車が減ったのを見るとサッと飛び出し、これに多くの歩行者が続いた。圧倒的多数の歩行者、電動バイク、自転車が交差点を渡ろうと押し寄せた。交通指導員は脇の方に押しのけられ、「戻りなさい、まだ青になっていない」と無駄なあがきを続けていた。
これは中国の圧倒的多数の都市の十字路で日々繰り広げられる混乱の場面で、ネットユーザーはこれを典型的な「中国式道路横断」と皮肉った。中国特有の混乱を見せるのは、道路横断だけではない。マイクロブログでは、「中国式運転」、「中国式公共バス乗車」、「中国式贈り物」等が紹介され、「中国式」が決まりを守らないことの代名詞にされたかのようだ。「中国式運転」とは、窓を開けゴミをポイ捨てし、歩道や自転車用の道路を占用し、歩行者に道を譲らない等の行為を指す。本紙が取材したところ、外国に行ったことのある人は、外国の公共の場や社会の秩序を羨ましがっている。日本に長年留学していた楊さんは、「日本では横断歩道を渡る前に、歩道で整った二つの列を作っていた。大通りで歩きタバコをする人は少なく、喫煙者は規則正しく喫煙エリアでタバコを吸っていた」と語った。米国を訪れたことのある李さんは、「米国の一部の交差点には信号が設置されていないが、歩行者優先の原則に従い、ドライバーは横断する歩行者に道を譲り停車する」と語った。