■136種類の「ねこまんま」を紹介した本が人気
「ねこまんま」とひとえに言っても、地域によって食べ方も異なる。関東や東北地方において、「ねこまんま」とはご飯にカツオ節をかけて、醤油を少したらせば出来あがり。カツオのうまみが引き出されさっぱりといただける。一方、関西ではご飯に味噌汁をかけたものを「ねこまんま」と呼び、味はカツオ節をかけるだけのものより、濃い目。いわゆる「汁かけごはん」だ。また、北海道では、カツオ節をかけた後、醤油とバターを加えることが多く、独特の味わいになる。簡単な「ねこまんま」にも、いろいろな食べ方があり、さらなる進化の余地も残されている。
漫画家・安倍夜郎の人気作品「深夜食堂」は2009年にテレビドラマ化され(画像2)、その中で「ねこまんま」に関するエピソードや作り方が取り上げられ、「見たら食べたくなった」と言う人が続出。世界的に知られるほど、一時、人気になった。また、136種類もの「ねこまんま」を集めた料理本、「おとなのねこまんま」(発行:アース・スターエンターテイメント)も話題に。あたたかいごはんにケチャップをかけ、コーンとバターをのせ、仕上げにパセリのみじん切りをふる「お子様ランチ風バターまんま」などが紹介されている。これを見た読者からは、「材料や調味料に工夫を凝らすことで、簡単な『ねこまんま』にもこんなにいろんな食べ方があるんだ」との声が寄せられるなど、好評を博し、発売から1か月で2万冊以上が売れた。また、さらに手軽に「ねこまんま」を食べられるようにと、「インスタントねこまんまの素」を発売している食品メーカーもある。
■今でも「ねこまんま」は節約の手段
日本人は食事の面でも強靭な忍耐力を誇り、梅干し1つでご飯1膳を食べられるのは日本人くらいだろう。日本の社会にとって、「ねこまんま」は、過去の苦労を思い、今の幸せをかみしめるための良い材料だ。また、切羽詰まった生活を迫られている人にとっては、現実的な価値があるものだ。「ねこまんま」のレシピや味は、昔と比べて変化しているものの、安価であることには変わりなく、「ねこまんま」1杯のコストは100円程度だ。吉野家の牛丼でも1杯380円であることを考えると、非常にリーズナブル。「おとなのねこまんま」をプロデュースした中島氏は、自家製「ねこまんま」なら1食30円程度と試算している。収入に限りがある人や失業中という人にとっては、ありがたい味方だろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月7日
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