中国、春節明けに転職する若者急増 米メディア
春節(旧正月、今年は2月10日)の連休(2月9-15日)が終わり約2週間。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は4日、中国では連休明けの初出勤日に、辞表を提出する若者が急増したとする記事を掲載した。環球時報が報じた。
以下は同記事の主な内容。
中国のある大手求職サイトが最近発表したデータによると、春節の連休明けの1週間、ネット上の求職者数は前年同期比36%増となり、新たな求人は2倍に増加している。
年末ボーナスを手にし、変化を求める若者が増えるこの時期。新たなチャンスを求める人が、今年は例年に増して増加しているのだ。前出求職サイト・広報部の責任者は、「過去数年も春節後の転職率は増加の一途をたどっていたが、今年は予想をはるかに超える増加幅」と指摘する。一方、北京のある国営企業で働く丹尼爾朱さんは、「収入がもっと多い仕事に就きたい」とし、理由について「今所属している部門は将来の見込みがない」としている。また「周りにも、私営企業で働いているため残業が多く転職を考えている友人がいる」と語る。
中国の若いホワイトカラーの間で転職が盛んな理由に関して、8000人以上の回答を得た同求人サイトのアンケートでは、62%が「給料が安い」ことを挙げた。23-25歳の回答者のうち、88%が現在の給料に「不満足」と回答している。残業多いことに加え給料が安いにもかかわらず、住宅確保にかかるコストは上昇する一方で、不満が膨んでいるのだ。一方、健康と職場の安全も転職の原因の1つだ。回答者の92%が「残業が原因で健康が損なわれている」と回答した。また半数以上が「ここ1週間の間に、社長に怒られたことがある」と回答し、うち62%が「それが原因で転職を考えたことがある」と回答した。
同調査では、「いい仕事」の定義も変化していることが明らかになっている。1970年代生まれの中堅世代にとって、最も肝心な要素は「高い給料と高い地位」であるのに対し、80年代生まれの若者にとっては、「仕事と生活のバランス」や「職場内で他の人の敬意を得られるか」だった。
上海のある広報会社で働く趙斌さん(28)は、月収が6000元(約8万4千円)と比較的高い収入であるにもかかわらず、「現在、転職を考えている」。その理由は、「ストレスが大きすぎる」から。「もっと気軽な仕事がしたい。例えば育成スクールの講師とか」。一方、英幹部人材紹介会社「Antal International」の中国地域のあるパートナーは、「仕事と生活を両立させるというのが中国で新しい概念となっている。過去5年を見ると、収入が安定して増加しており、それに伴い、収入以外の他の要素がますます重視されるようになっている」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月6日