中国、修士課程入学試験に180万人 20年で15倍増
中国で修士課程入学試験を受ける学生の数は、20年間で15倍増、10年間で倍増するなど急増し、9年連続で100万人を超えている。今年は、2次試験を受けるために必要な1次試験の最低ボーダーラインが26日に発表。受験生は過去最高の180万人に達した。しかし、専門家は、「大学院生が増加し続けると、学生の質が低下し、深刻な結果を招く可能性がある」と指摘している。新快報が報じた。
■9年連続で受験生100万人超
中国で大学院生の募集規模が拡大され始めたのは、まだアジア金融危機の余波が残っていた1999年にまで遡る。当時、就職難を少しでも緩和するため、同策が講じられたのだ。しかし、その場しのぎ的な方法に過ぎず、抜本的解決には至らなかった。就職難は緩和された代わりに、同試験を受ける学生が爆発的に増加してしまったのだ。
実際には修士課程入学試験を受ける学生数は11万4千人だった94年以来、年々増加し、次々に過去最高数を記録。2013年には、94年比15倍増の180万人に達した。
だからと言って、入学のハードルが下げられたわけではない。96-01年の期間は最も競争が激しく、受験生計189万人のうち、合格となったのはわずか46万4千人。倍率4倍の計算だ。一方、現在も3倍と依然として高い倍率となっている。
■大学院卒業生の就職率が大学卒業生を下回る
「大学4年生の時に、修士課程入学試験を受けないなら毎日が正月みたいなもの」。中国の大学で昔から語られてきた言葉だ。中国では、一体なぜ同試験がここまで重要視されるようになったのだろう?募集規模を拡大し続けるなら、大学院生に悪影響を及ぼす可能性はないのだろうか?
華南師範大学(広東省広州市)公共管理学院の王建軍・教授は、「就職活動を有利に進めたいというのが、学生が同試験を受ける主因で、国の卒業生の資質に対する要求が高まっていることも原因の一つ」と指摘している。
一方、民間非営利団体「21世紀教育研究院」の熊丙奇・副院長は、「大学院生教育は膨れる一方のバブル状態になっている。05年より、同試験の受験者数は過去最高を記録し続けているのに対し、卒業後の就職率は下降を続けている。10年と11年に至っては、大学院卒業生の就職率が4年制大学の卒業生より低いという状況さえ起こった」と指摘する。