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上は自然乾燥させた手にいた細菌の量。下はハンドドライヤーで乾かした手にいた細菌の量。 |
微博(ウェイボー・ミニブログ)上で最近、「ハンドドライヤーで手を乾かす=手を洗った意味なし」という投稿が話題になり、閲覧回数が24万回、転送数が1千回以上になっている。同投稿によると、「レストランのトイレなどでよく見かけるハンドドライヤーは、手でどこかを触る必要が無いため、とても清潔な感じがする。しかし、ハンドドライヤーは通常、トイレの近くにあるため、温風や湿気でハンドドライヤー内の細菌が増え、温風で逆に細菌が手に付く」という。武漢晩報が報じた。
同投稿に対しては、「専門家は潔癖症の人が多く、普通の人は参考にするに値しない」という声のほか、「高熱になるヒーターケーブルは、細菌が生存したり、繁殖したりできる環境ではない」との否定的な声、さらに「証明する実験データがなしため、実際の証拠が必要」という声などが上がっている。
ハンドドライヤーで乾かした手は細菌だらけ
筆者は6月29日、オフィスビル、ショッピングセンター、レストランの3カ所のトイレに設置されているハンドドライヤーを使って実験を実施した。具体的な方法は、まず水で15秒手を洗い、その後、左手はハンドドライヤーで、右手は自然乾燥させ、その後、使い捨てのサンプル採取キットを使って、手のひらの真ん中から3セット・計6つのサンプルを採取。これらを無菌の寒天培地に入れた後、2時間以内にインキュベーターに移した。
37度に設定したインキュベーターで24時間培養すると、寒天培地の中は、白い菌がはっきり見えるようになった。オフィスビルのトイレにあるハンドドライヤーで乾かした左手から採取したサンプルには206個の菌が、ショッピングセンターのサンプル(左手)には261個の菌が、レストランのサンプル(左手)には316個の菌がいることを確認した。一方、自然乾燥させた右手から取ったサンプルには、同順番でそれぞれ、91個、107個、163個の菌がいた。つまり、ハンドドライヤーで乾かすと、確かに手を汚しているのだ。うち、レストランのハンドドライヤーで乾かした時の菌が最も多かった。
湖北省武漢市の結核病防治所検査科の任易・副主任技師は「ハンドドライヤーは、手をかざすと赤外線センサーが作動し、ファンが自動で回る。そして、周囲の空気を吸い込んで過熱された空気が出てくるという仕組みだ。公共の場所にあるトイレには元々菌がたくさん存在し、ハンドドライヤーから出てくる約60度の温風では、殺菌できないどころか、逆に温風と共に吸い込んだ周囲の菌を手に当てているということになる」と語る。
中国の科学普及事業サイト「果殻網」の記事によると、英国のブラッドフォード大学も以前に同じような実験をしたことがある。ハンドドライヤーを使った場合とハンドペーパーで拭いた場合を比較した結果、ハンドペーパーは、肌の表面にある細菌の半分を拭きとることができ、ハンドドライヤーよりも効果的であることが分かったという。
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