中国国内外で中国語ブーム いかに継続させるか
英ロンドンのボリス・ジョンソン市長は最近、中国を訪問した際、「英国の児童は学校で中国語を勉強するべきだ。子供達は今後、成長するにつれ中国の重要性を自然と認識するようになるだろう。東アジアの大国である中国の世界に対する影響力は今後も高まるため、英国人は中国について理解するよう努めなければならない」との見方を示し、「私も中国語を勉強している」と語った。そして、「私はすばらしい中国が好き。中国文化を理解すればするほど、そのすばらしさを知り、理解を深めることができる」との見方を示した。人民日報海外版が報じた。
興味深いことに、今回中国文化に対する熱い思いを語ったジョンソン市長は2005年、ある文章の中で、「過去のイギリス帝国や19世紀以降のアメリカ帝国を見ると、中国文化の影響は無きに等しく、これから高まることもないだろう。我々は子供たちに中国語を教える必要はない」との見方を示している。しかし、ジョンソン市長は現在、「中国語に対する以前の言論は間違っていた」と認め、「私の子供は現在、中国語を勉強している」と語った。この8年の間に、ジョンソン市長の見方は180度変わったのだ。
1つの国の経済発展や政治的地位が、その国の文化の地位を左右することは周知の事実だ。ここ数年、中国の経済が奇跡的発展を遂げるにつれ、国際舞台における中国の重要性も日ごとに高まっているのだ。米誌「タイム」は、「他の人の先に立ちたいなら、中国語を勉強するように」と勧めている。中国語版「ウィキペディア」は、「中文熱(中国語ブーム)」を「中国の急速な経済発展を背景に、世界各国で、中国文化を理解したり、中国大陸部で貿易に従事したりするために、中国語を学習するブームが起きること」と定義している。
一部の外国人が漢字を必死に勉強するのは、中国経済がもたらすビジネスチャンスを逃さないためで、中国語がビジネスや利益創出のためのツールになっているのも事実だ。しかし、効率や利益のためであったとしても、それはやはり中華文化に対する関心の表れで、世界的な中国語ブームが巻き起こっているのは紛れもない事実だ。中国は輝かしい5千年の歴史を誇り、「漢字」は、世界でこれまで途切れることなく用いられてきた文字であると同時に、世界で最も使用人口が多い象形文字でもあり、その圧倒的な生命力こそが、言わずと知れた中国文化の魅力の源である。
世界的な中国語ブームを背景に、中国では中央テレビ局(CCTV)の「漢字聴写大会」や河南衛視(衛星テレビ)の「漢字英雄」、河北電視台(テレビ局)の「中華好詩詞」など、子供や若者が漢字や漢詩の能力を競うテレビ番組が人気となっている。今後は、国際舞台で中国語や中華文化を推進すると同時に、いかに継続的に国民の目を「母語」に向けるかが、中国にとって大きな課題となる。同課題は、グローバル化する世界における中国文化の地位を左右すると同時に、現代の中国人が中華文化を継承し発揚できるかにも関係する。中国国内外において、中国語ブームが長期にわたって続くことが願われる。そのようにして初めて、中国の国際的地位を継続的に向上させると同時に、中華文化の地位を向上させることができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年10月28日