衛星測位システム「北斗」 産業に激変もたらすか? (3)
カーナビの他に、携帯電話向け地図は、業界から最も期待されているLBSに基づく産業だ。中国国内のスマートフォンは、現時点ではそのほとんどがGPSを使用している。しかし北斗システムがGPSの機能をカバーし、スマートフォンがさらに普及するに伴い、モバイルネットワークの重要なインターフェイスである携帯電話向け地図を巡る競合が、一触即発の状態に置かれる。
調査会社・易観国際のデータによると、2012年第3四半期現在、高徳地図のシェアは25.9%、百度地図は19.1%、図◆地図は9.5%に達し、中国の携帯電話用地図機能の利用者数でトップ3となった。高徳は地図コンテンツ・ナビゲーションサービスを提供し、百度は検索エンジン最大手だ。2社は地図によりローカルな生活サービスプラットフォームを構築し、携帯電話向け地図市場で影響力を拡大しようとしている。
中国国内のデジタル地図企業は価値創出に取り組んでいる。高徳はアップルと業務提携をし、オンライン地図市場に進出した。四維図新は新たなクラウドプラットフォームを構築し、車のインターネット(IOV:Internet of Vehicle)事業を展開する。易図通は世界ナビゲーション業界の技術的制限を取り払い、「真3Dナビゲーション」を提供した。
テンセントや捜狗などのインターネット企業もまた、スマートフォン向け地図機能の市場を伺っている。捜狗地図は携帯端末のナビゲーション機能に力を注いでおり、一部のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開した。
易観国際のアナリストは、「携帯電話向け地図は、ユーザーの位置および実店舗に関するさまざまなO2O(オンライン to オフライン)の新アプリといった、数多くのモバイルサービスを生む。携帯電話向け地図は、モバイルネットワークのビジネス方式に、創意に富む変化をもたらす。携帯電話向け地図の競争は避けられないだろう」と語った。(編集YF)
*◆は口へんに巴
「人民網日本語版」2013年2月4日