パナソニックが業績悪化、経営立て直しの鍵とは? (2)
格下げの中で発行された社債は投資家から冷遇される。投資リスクを回避するため、投資家は信用格付けの高い社債に資金を投じている。
◆不明瞭な経営戦略、苦境脱却は困難か
パナソニックは3月28日に、2015年会計年度(2015年4月から2016年3月まで)の中期経営計画を発表し、2015年までに3500億円の営業純利益を実現するとした。同社は今後2年間で2500億円を投じ、新たな再編により苦境から脱却する。
パナソニックの計画によると、重点事業である自動車用電子デバイス・家電事業で、2018年までに売上高をそれぞれ2兆円に引き上げ、同社の売上全体の半分を占めることになる。しかしこの二つの事業が、どの製品を成長の支柱とするか、どの種類の製品がどれほどの売上を記録するかといった具体的な内容は含まれなかった。
産経新聞は、「パナソニックの新たな中期経営計画の中で、今後の成長プランが具体的に示されておらず、またかつて世界市場を席巻したテレビとカメラに匹敵する、企業の業績改善を促す具体的な製品についても示されなかった」と指摘した。
◆相次ぐ資産売却
ロイター通信は3月5日、「パナソニックは約500億円の価格で、東京のオフィスビルを日本の2社の投資会社に売却する」と報じた。同社は不動産売却により資金を調達し、自社の現在の財務状況を改善する。同社は売却後も10年間に渡り同ビルを賃貸し、ビル内での事務を継続する。