円安は日本経済を救えるか? (2)
円相場の調整は、日本のグローバル企業に一休みの時間を与え、経営状況にも大きな好転が生じた。しかしこれは現時点では、企業が投資と雇用数を拡大する契機とはなっておらず、日本市場からそのような兆しもいまだ見て取れない。アベノミクス(安倍首相が就任後に実施を加速した一連の景気刺激策。機動的な財政政策、大胆な金融政策、民間投資を喚起する成長戦略を3本の矢とする)の中で強調された最も重要な「成長戦略」が今後どのように示されるかについて、日本の多くの学者・政治家は明確に説明していない。
5月は日本近海のスミイカ豊漁シーズンだ。日本最西端の長崎から中部の能登半島、さらには北海道に到るまで、夜の海は閑散としており、水面に映し出された漁火を見ることができない。船が出港から点灯まで必要とする電力は、ディーゼルオイルによって発電される。円安により、円建て計算の原油価格が高騰している。スミイカ漁船は漁を続けられなくなり、市場でも魚介類の価格が上昇している。これは漁師に実益をもたらさず、円安が彼らの生活に暗い影を落としている。
サラリーマンにとっても、理想的な状況とは言えない。燃料、原料、食料、部品の輸入価格高騰により、日本の工業品・消費財の価格に影響が生じている。またサラリーマンの給与は、物価上昇に伴って増加してはいない。日本の多くの企業は今年夏に支給するボーナスの準備に入っているが、それが物価上昇率を最終的に上回るかについては、現時点では不明だ。
円安後、日本の輸出商品の数に変化が生じている。財務省が発表したデータによると、日本の輸出入額は昨年12月から減少が始まっている。具体的な数値を見ていくと、12月は10.5%減、1月は5.9%減、2月は15.7%減となった。為替相場の変化は日本の輸出額の増加を促しておらず、今後数カ月も調整は難しい。
円安が投資ブームをもたらし、 日本経済を成長軌道にのせることはあるだろうか。円安が国民生活を好転させるだろうか。現在までに得られているデータでは、これを断言することはできない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月15日