「一所懸命」から見る日本の「ミンスキー・モーメント」 (3)
新指導部は経済と社会のモデル転換の重要なウインドウ期に、国の経済と金融の安全の戦略的観点から、いかにしてより大きな政治的な知恵と勇気をもって、鍵を握る分野の改革を推進し、経済のシステム的安全への資産バブルの衝撃を防ぐかが試されている。不動産に最初に切り込み、全国統一の住宅登記制度と不動産税の推進を目安に、既得権益集団との関係を果断に断ち切ってこそ、改革の決意と勇気をはっきりと示すことができる。
イェール大学のロバート・シラー教授(金融経済学)は、中国の不動産市場はまるで米国の大恐慌あるいは日本のような「バッド・ストーリー」を欠いているようだと指摘する。一般の住宅購入者、投機筋、不動産業者であれ、地方政府であれ、みな過去の「グッド・ストーリー」に心を奪われている。米国、日本、中国の香港などがかつて経験した不動産バブルは警告たるに十分だ。彼らはかつてバブル崩壊は阻止できるとの論拠を山ほどもっていた。だが「ブラック・スワン」的事象がひとたび起きれば、全ての狂乱は一瞬にして止む。これを回避できる独特な中国モデルなど存在しない。シラー教授は、中国の不動産市場は「バッド・ストーリー」を一度経験して目を覚ます必要があると指摘する。そうでないと非理性的な繁栄が長く続くほど、その破壊力は大きくなる。
中国式の「バッド・ストーリー」はどのように展開し、沸き立ち、クライマックスに達し、結末を迎えるのか。これは日々見ていくほかない。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年6月24日