日本 特区建設で科学技術イノベーション推進 (2)
「基礎研究と臨床現場との架け橋」と位置づけられる横浜市立大学先端医科学研究センターは、複数の学科による公共の研究プラットフォームだ。本紙の記者が取材する時、同センターはこのほど完成した研究棟に移ったばかりで、2階と3階にある共同研究支援部門にはゲノム解析室やプロテオーム解析室など7つの支援施設があり、世界最先端または世界で唯一とされる質量アナライザー8台を擁している。研究者には同大医学部の生物学部門の出身者が多く、専従のポストだけでなく、研究上の必要に応じて随時出入りすることができる。
同センターの生体超分子相関科学の研究責任者・平野久教授によると、産学研の連携を促すため、同センターは資生堂などの企業4社の研究室を設立して、プロジェクト開発のそれぞれの特徴により柔軟に対応できるようにしている。また大学の付属病院とともに臨床試験支援管理室を設立し、実験室で生まれた新たな治療法や薬品の臨床への応用を担当するとともに、データの収集・評価を行っている。このほか、同センターのバイオバンクには1万点を超える病理組織の標本があり、センターの内外で行われる関連研究に必要に応じて提供されている。事務支援部門は特許など知的財産権に関わる管理を担当する。
現在、同センターが進める研究プロジェクトには、臓器再生、腹腔鏡下手術の支援機器、家庭用超音波画像装置などの各プロジェクトがあり、研究チームのメンバーは大学、病院、企業など各方面から集まっている。平野教授が中心となったプロテオームの解析研究は10年間に及ぶ、日本の文部科学省先端融合領域イノベーション創出拠点の形成プログラムで科学研究費は数百億円に上る。研究成果はガンの個別化治療や精神薬、化粧品の開発に応用されることが可能だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年6月25日