下半期の人民元情勢 上昇それとも鈍化? (2)
▽上昇の歩みはこれから鈍化する
下半期の人民元には上昇の要因もあれば下落の要因もある。ある専門家の予測によると、人民元は双方向に変動するが、変動幅はそれほど大きくない。長期的にみれば引き続き上昇のエネルギーをもつが、上昇の歩みは鈍化していくという。
中国建設銀行研究部がこのほど発表した報告によると、長期的にみれば、人民元が引き続き上昇傾向をみせることを決定づける3つの要因があるという。一つ目は、中国経済が今後10年間は毎年少なくとも7%以上の速いペースの成長を維持し、世界の経済規模全体に占める割合が上昇するとみられることだ。二つ目は、中国の国際貿易が引き続き黒字を維持するとみられ、これと同時に、中国と主要経済体との金利差も長い時間にわたり高い水準を維持し、国際資金に対し強い吸引力を発揮するとみられることだ。三つ目は、人民元の国際化の推進では、人民元相場が堅調さを維持し、人民元に対する市場の信頼感を高めることが必要になることだ。
孫教授によると、学界での基本的な共通認識は、現在は市場市場開放の好機ではないというものだ。管理レベルが方向性を明確にし、レートはすでにバランスの取れた水準に達しており、大幅な上昇の可能性はなく、人民元に手を出してもメリットはないと投機資本に信じさせることができれば、資本の流入が鈍化・減少する可能性や人民元が値下がりする可能性があるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月5日