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中国産味の素に包囲網 米国で反ダンピング調査 (2)

 ▽超低価格の米国産トウモロコシが原料に

 馬氏によると、中国は米国産トウモロコシの主要なバイヤーだ。一時期は米国から中国に輸出されるトウモロコシの価格が、米国国内での価格をはるかに下回っていたが、中国政府は反ダンピング調査を発動したりしなかった。輸出価格は定期取引市場における受注状況によって変わるもので、中国の現在の味の素輸出価格は低い。これは中国の人件費コストなどが米国や日本といった先進国より低いためだ。また中国企業が味の素の加工プロセスで非常に価格の安い米国産トウモロコシを原料に使用していることが原因である可能性も高い。

 馬氏は、「今、米国は逆襲に転じ、中国に2つの調査を発動した。これはなんともデタラメなことだ。企業の価格設定は市場に基づいて変化するものであり、国や地域が異なれば市場も異なるのであり、政府が過剰に介入するべきではない。これは国際貿易が健全に発展するための基礎だ」と強調する。

 コンサルティング会社・和君管理諮詢公司のパートナーのエン強氏によると、2つの調査で有罪となれば、まず巨額の賠償金に直面し、次に輸出が制限されることで従業員の失業問題が深刻化するという。

 米国だけでなく、近年は欧州連合(EU)も中国製品に対して反ダンピング・反補助金調査という「大なた」をたびたび振りかざしている。ある対外貿易の専門家の指摘によると、現在、ますます多くのEU企業が中国などの労働力コストが相対的に低い第3国に生産拠点を移転させて競争力を維持しており、「欧州企業」の概念は徐々に境界線があいまいになっている。集中的な反ダンピング措置は欧州現地の関連産業や企業を保護すると同時に、中国などの国・地域で投資を行う欧州企業に損害を与えてもいる。EUは次の点をよくよく考えるべきだ。どのような貿易救済措置を取ればEUの企業や消費者の利益を守ることになるのか、さまざまな利益が錯綜する中で相対的にバランスの取れた着地点を見いだし、グローバル化を背景とした供給チェーンの合理的な分業の中から不公平な貿易行為を区別することになるのか、という点だ。(編集KS)

 *エン:「門構え」に「三」

 「人民網日本語版」2013年10月28日

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