2014年に世界で特許権の保護を失う薬物は価値にして400億ドルに、2015年は560億ドルに、2016年は310億ドルに達すると推算されている。薬品業界は大規模な特許権満期を迎え、多くの製薬企業はこれを「祭典」としてとらえている。
もう一つの「祭典」は、3Dプリンタ業界で開かれる。3Dプリンタのコア技術である「レーザー焼結技術」が年初に満期を迎え、多くの企業が特許の束縛から解放されることになる。他にも農薬に、特許権満期の波が押し寄せようとしている。世界の主要な農薬生産技術は、ドイツのバイエル社や米国のデュポン社などの6社に握られており、中国農薬企業は技術特許の世界で身を置く場所もないほどだ。世界で数百件の農薬特許が満期を迎えており、中国の農薬企業に発展のチャンスをもたらしている。
◆コピーの中でも革新を
特許権満期シーズンの到来を控え、多くの中国企業はその流れに乗るため力を蓄えていた。満期を迎えた特許を利用する手法は、勢いに乗ることになるのだろうか、それとも単なる剽窃だろうか?
中国社会科学院法学研究所の研究員である李順徳氏は記者の取材に応じた際に、「満期になった特許を利用しコピー生産を行うことは、世界では一般的な手法だ。多くの先進国はコピーから始まり、その後それ以上のモノを作り出している。中国は一部の分野で遅れているため、コピーは近道といえる。中国企業は外国の特許をコピーする中で、革新を求めるべきだ」と指摘した。
満期になった特許を利用することは、政府からも承認・奨励されている。中国国家食品薬品監督管理局の呉テイ明副局長(テイ=さんずいに貞)は、「ハイエンドなコピー薬品の発展を支持する。国家は政策を発表し、コピー薬品の審査をスムーズにし、一刻も早く消費者の手に届け、医療費用の負担を軽減させようとしている」と語った。呉副局長はコピーと革新の関係について、「中国のコピー薬品が世界基準に到達できるならば、コピー薬品の製薬企業は革新に近づくことができる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月8日