初めて月面上陸を果たした五星紅旗(中国国旗)の鮮明な姿が、2013年12月15日にテレビに映し出されると、嫦娥3号表面音波デバイスの設計者らは、ようやくほっと胸をなでおろした。
◆小さな装置が大きな試練に直面
鮮やかな五星紅旗が、月面ローバー「玉兎号」の「胸の前」ではためいた。この写真を撮影したのは着陸機で、その信号は38万4400キロ離れた月からそのまま地球に伝送され、テレビの生中継により人々の前に示された。このプロセスにおいて、中国が独自に開発した、5種類の表面音波デバイスが重要な役割を果たした。
表面音波デバイスは、宇宙機の各サブシステムの重要な部品だ。嫦娥3号表面音波デバイスプロジェクトチームの品質管理者である段斌氏は、「現在の電磁環境は複雑になっている。表面音波デバイスの主な役割は、さまざまな妨害信号(ランダム信号、画像信号、高調波など)を除去し、信号を伝える媒介をよりクリアに、伝送される信号をよりスムーズにすることだ」と説明した。
嫦娥3号が必要とする5種類の表面音波デバイスは、それぞれ衛星の捕捉、測量・制御、レスポンダなどのサブシステムに使用されている。不必要な情報の妨害を除去し、地球上とのスムーズな通信を保証し、月面の地形および地質構造などの科学データを正確に地球に伝送し、月の神秘のベールを剥がす上で重要な役割を発揮する。
段氏は、「着陸機と月面ローバーが相互撮影した写真をよりクリアに地球に伝送し、データ損失やぼかしを生じさせない。これは最も分かりやすい役割だ」と例えた。
玉兎号と着陸機が相互撮影した写真が、テレビの生中継によって各家庭で放送された時、同チームの全員がテレビの前に座り、2年余りの努力により完成された小さな部品が、大きな試練を乗り越えるのを注目していた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月8日