ネキシウムやバイアグラなど外国産の人気薬剤の特許権が、今年満期を迎える。これは中国国内の製薬企業にとって、発展の黄金時代を意味する。今年世界で特許権の保護を失う薬剤は、価値にして総額400億ドルに達すると推算されている。人民日報海外版が伝えた。
2014年に、各分野の多くの特許権が満期を迎えようとしている。3Dプリンタのコア技術「レーザー焼結技術」が1月に満期になるが、国内の3Dプリンタが飛躍的な発展を実現する可能性がある。今後数年間で、世界の数百件の農薬の特許が相次いで満期になり、中国農薬市場が海外企業に掌握されるという局面が打破されるかもしれない。
◆満期を迎えた特許、無料の金山に
満期を迎えた特許は、無料の金山と呼ばれている。専門家は、「巻き返しを図る中国企業は満期になった特許を活用し、革新を求めるべきだ」と提案した。
ある人は新技術を追い求め、ある人は満期になったモノに注目する。山東省イ坊市(イ=さんずいに維)の製薬企業の楊博士は、後者に属する。楊博士は、「毎日満期を迎える特許に注目し、それからコピーと開発を進める」と語った。コピーという言葉は、一般人には悪い意味に聞こえるが、特許制度を熟知している人にとっては、研究すべき技法である。
中国の「専利法」(特許法)によると、特許には発明、実用新案、意匠が含まれる。発明特許の保護期間は20年、その他の特許の保護期間は10年だ。特許の保護期間が満期になると、一般人が無料で使用できるようになる。特許が満期になっても、技術が淘汰されるとは限らず、むしろ光り輝く「金」を掘り出せる可能性もある。
◆中国企業の飛躍に期待
中国食品薬品検定研究院副院長の王軍志氏は、「中国の生物薬剤の主流はコピーで、海外製薬企業の特許という垣根に苦しめられている。米国は生物薬剤の特許のうち59%を、EUは19%を、日本は17%を占めており、その他の国は計5%のみとなっている。ゆえに中国の製薬企業は、特許の垣根を飛び越えようと躍起になっているが、まもなくこれが実現されようとしている」と指摘した。