欧米日「レアアース輸出規制」 WTO仮決定は中国に不利 (3)
昨年にレアアース貿易の関係者やアナリストを多数取材したところ、レアアース訴訟で敗訴すれば、中国はレアアース政策の規制を解除する可能性があるとの見方が返ってきた。規制が解除されるとどうなるか。割当制度がなくなると(輸出規制がなくなると)、巨大な利益につられて、中国のレアアースは無計画な採掘や法律違反の密輸といった問題が再び起こり、以前のような激安価格に下がる可能性が増大する。
レアアース関係者は、「このような事態になれば、中国のレアアース産業の良好な循環発展にとってさらにマイナスになる」と話す。
あるメディアの報道によると、WTOは輸出規制を撤廃するよう原則として要求するが、2つの免除条項を設けている。すなわち、「国民、動植物の生命または健康を保障するために必要な措置」と「枯渇する可能性のある自然資源の保護に関する措置、このような措置は国内での生産・消費の規制とともに実施される」という。
これについて対外経済貿易大学中国世界貿易機関研究院副院長の屠新泉氏は、中国のレアアース産業は以上の規定の大部分に合致しているが、輸出割量と国内の消費量が同じになるようにはしてこなかった。このため中国はWTOの枠組内でレアアースの輸出割当制度の継続を要求できるし、割当量を国内の消費量と同じ水準まで拡大することができるという。
だが林氏によると、長期的にみれば、中国のレアアース割当制度が繰り返し非難を受けることは確実だ。そこで最も根本的な戦略は「国内を先にし国外を後にする」こと、つまり、まずは国内のレアアースをめぐる混乱を収め、それから対外的な戦略を考えるということだ。
林氏の考えでは、中国の戦略で重要なことは、大規模なレアアースグループを徐々に形成し、小規模なレアアース企業や家内工業的なレアアース企業を徹底的に市場から淘汰する、または統合すること。そして密輸や無計画な採掘を徹底的に防ぐことだという。(編集KS)
*カク:「おおざと」に「赤」
「人民網日本語版」2013年10月30日